サッカー現場発

秋晴れ感じた森保監督“最善”で実りのある収穫を

東京オリンピック(五輪)代表の監督も兼任するサッカー日本代表森保一監督(51)の表情は、秋晴れのようにすがすがしかった。5日にU-22代表、6日にW杯アジア2次予選のキルギス戦とキリンチャレンジ杯ベネズエラ戦のメンバーが発表された。指揮官は東京五輪世代のMF久保とMF堂安をU-22に専念させ、A代表はキルギス戦からベネズエラ戦へはメンバーを9人入れ替え、初選出を4人招いた。メンバーを分けた狙いは明快だった。

U-22日本代表のメンバー発表で、記者の質問に笑顔で答える森保監督(2019年11月5日撮影)
U-22日本代表のメンバー発表で、記者の質問に笑顔で答える森保監督(2019年11月5日撮影)

森保監督 A代表をはじめ、よりレベルアップすることを全体的にどれだけできるか考えながらやっています。来年の東京五輪までの期間で、A代表にいる五輪世代の選手をいつ融合させるかは常に見ながら活動してきている中、A代表でレベルアップする、東京五輪世代のチームで融合していくというバランスを考えてやってきています。キルギス戦後、欧州組のコンディション等々を考慮して、よりいい状態で自チームに戻ってもらい、自分のポジションをしっかりつかんでもらう。他の選手たちは国内で合流する選手たちと一緒になってベネズエラ戦に向かう。なかなか招集機会のなかった選手や初招集の選手も含めて、活動する中で選手たちの特徴を知るということ、そして個人としても代表としても経験値を上げて、さらに日本代表のレベルアップをしていく。個、チームのレベルアップがベネズエラ戦でさらにできる。それが日本サッカーの全体的なレベルアップ、底上げになっていくと考えています。

11日から19日までの期間で、2世代計54選手を3試合でチェックする。1人でも多くの選手に戦術を浸透させ、森保ジャパンの戦力になりうるかを確認するのは、来るべき東京五輪とW杯最終予選に向けて絶好の機会になる。

ただ、この状況を作り出すのは容易ではないだろう。日本代表は“常勝”を求められる。親善試合だろうが、1試合の勝敗がチームの行く末だけでなく、指揮官の未来にも少なからず影を落とす危険もあるのが代表の宿命だろう。決断までの過程で“不安”と“希望”が入り交じったのは想像に難くない。

その2つをてんびんにかけても、答えはすぐにでた。指揮官は「そのままキルギスから同じメンバーベネズエラ戦を戦うことももちろん選択肢として考えました」と認めたうえで、間髪入れずに「でも」と言葉を続けた。「今の代表がやらないといけないことと、今後さらに代表の強化、発展をさせていくことを考えたときに、いろんな限られた代表の活動の中で、ここで試したり、新たに選手を見たり、なかなか来られなかった選手たちに、今代表でやっている戦術を知ってもらうということをやる機会は、今後に生きてくるということで判断しました」。

招集した新顔への期待と信頼も、当然ながら決断の下地にある。「これまで招集しきれていなかった素晴らしい選手たち、力を持った選手たちがいることを、ベネズエラ戦で私たち自身も選手とともに活動しながら感じたい」と声を弾ませた。「1戦1戦勝利を目指して、最善の準備を進めていきたい」。勝利、成熟、新戦力の発掘、融合-。未来へ向けて実りのある、収穫の秋にする。【浜本卓也】

◆浜本卓也(はまもと・たくや)1977年(昭52)、大阪府生まれ。03年入社。競馬、競輪担当から記者生活をスタート。静岡支局、K-1、総合格闘技、ボクシングなどを渡り歩き、直近はプロ野球を8年間担当。18年12月にサッカー担当に復帰した。

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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