Jリーグが通常運営に向けてまた1歩前進する。9日の北海道コンサドーレ札幌-湘南ベルマーレ戦(札幌厚別)で、J1の試合では7月の再開後初めて、ビジター席が設けられる。これまでも近隣に住むアウェーチームのサポーターが観戦することは可能だったが、ユニホームの着用は禁止されていた。前日朝の段階で当該チケットは100枚ほど売れているといい、両ゴール裏にそれぞれのユニホームを着たサポーターが陣取る、あの光景が戻ってきそうだ。

Jリーグは9月に入り、少しずつ観客まわりの規制緩和を進めてきた。7日に手拍子での応援を解禁すると、19日には入場者数の上限を「5000人」から「収容人員の50%(1万7000人以上のスタジアムでは30%)」に引き上げた。同日の名古屋グランパス-ヴィッセル神戸戦(豊田ス)では、1万人を超える観客を動員している。30日以降はスタジアムの収容人員にかかわらず、(1)ビジター席を設けず上限50%、(2)ビジター席を設けて上限30%、のいずれかを各クラブが選択でき、J2レノファ山口は解禁初日にビジター席を設置していた。今月30日までには、全試合でビジター席が用意される予定だ。

札幌は(2)を選択した。上限30%運営時のチケット販売状況から判断したものというが、担当者は「毎試合『アウェーのサポーターはいつになったら見に行けるんですか』という問い合わせが来ている。結果的に、アウェーサポーターの方に喜んでいただけると思う」と胸を張った。

来月7日のルヴァン杯決勝、柏レイソル-FC東京戦(国立)は、両チームのサポーターを迎えて開催される見込み。村井満チェアマンの強いリーダーシップのもと、Jリーグは確実に歩みを進めている。【杉山理紗】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)