11年ぶりに2ステージ制が導入されるJ1は今日7日に開幕する。昨季国内3冠のG大阪に挑む東京は6日、東京・小平市の練習場で非公開練習で調整した。昨季新人最多タイの13得点を挙げたFW武藤嘉紀(22)は、2年目に懸ける思いを日刊スポーツに激白した。第1ステージは6月27日まで各17試合の短期決戦。優勝チームは年間優勝を決めるチャンピオンシップへの出場資格を得る。

 いよいよ、Jが始まる。「やるしかない」という気持ちが高まってきた。昨季と比べたらプレッシャーは大きい。でもそれを楽しむくらいじゃないといけない。この1年は激変する環境についていくことで精いっぱいだった。昨季13点取ったことも、代表でゴールを決めたことも大きかったと思う。ただ振り返ってみると、反省の方が大きい。

 前半戦でもっと決められた。終盤はコンディションが悪くて、精細さ、強さを見せられなかった。太ももを痛めてからシュートを打たなすぎて、発想がなくなってしまった。自分がどうやってシュートまで持っていったのか分からなくなっていた。なぜだか分からないけど体調も悪くて。そんな風になったのは初めてだった。今年はそうならないように、1年間通して力を発揮する。それが自分の課題。今はすごくいい状態で開幕に臨めると思う。

 今月で慶応大学を卒業する。慶応ボーイって取り上げてもらうことを、最初は「ウソではないし、目立てればいいかな」と思っていた。だけど、Jで得点するたびに言われ「あれ? 俺はサッカー選手なんだけどな」って葛藤があった。

 慶応ボーイで活躍してるから、ちやほやされていると思われたくなかった。慶応ボーイの武藤嘉紀より、サッカー選手「武藤嘉紀」として結果を残す。だけど、そのための努力は見せたくない。筋トレも1人でこそこそやるのが自分流。みんなが帰ってから、本気で始める。熱いものは内に秘めて、ピッチで爆発させたいから。

 今季の目標は「優勝」しかない。そのためには自分が得点王取るくらいゴールを決めれば近づける。3冠王者のG大阪は開幕にふさわしい相手。どんな相手だろうと絶対に負けたくない。万博で勝って、勢いをつけたい。【取材・構成=栗田成芳】