日本勢が全滅した。ホームでの第1戦を1-0として迎えたアウェー戦。延長後半に浦和FW李忠成(30)の2得点で勝ち越したが、終了直前にFCソウルに同点弾を許し、PK戦に持ち込まれた。ここでもリードして5人目を迎えたが、GK西川の失敗などで逆転された。準々決勝を前に、Jリーグからの出場4クラブはすべて大会から姿を消した。

 ごう音のような歓声の中、PK戦で敗れた浦和の選手たちが、思わずピッチにへたり込んだ。GK西川は「自分で失敗してしまった後も、GKは他の選手と違って相手のキックを止めることで取り返せる、と思ってやっていたのですが」と肩を落とした。

 屈指の好カードは「死闘」になった。序盤は出足のいいFCソウルに主導権を握られた。浦和にとって厳しい判定も続いて、自陣でのファウルもかさんだ。前半29分にはDF遠藤がボールをさらわれて、FWダムヤノビッチに先制弾を許してしまった。

 後半は相手を押し込み、勝利につながるアウェーゴールの機会もあった。FW興梠は「延長戦もPK戦もあったけど、とにかく90分で決着をつけられなかったことに尽きる」と言った。

 延長戦に入ると、FCソウルに勝ち越し点を許した。それでもFW李の2得点で逆転。勝利を手にしかけた。李は「間違いなく、今季のアジアのベストゲーム。でも8強に進むのは向こう」と力なく笑った。

 今季の浦和は相手を押し込み続けるプレスと、昨季までの惜敗の経験を生かしたリスク管理で、1点のリードをしっかりと守りきって戦ってきた。リーグ戦、ACLを合わせても、敗戦は3月6日磐田戦以来。アジアを制する力は、十分に備わっていた。

 今大会最多の1次リーグ17得点を誇るFCソウルとの対戦は、優勝の行方を占うとまで言われた。まれに見る好ゲームだったが、浦和に突きつけられた結果は「16強敗退」だった。【塩畑大輔】