自分のキックの「質」を信じた。前半37分、ゴール正面右寄りの直接FKの場面。浦和MF柏木陽介(28)はボールをセットすると、左足を鋭く振り抜いた。「狙い通り。完璧」と振り返る弾道は、鋭いカーブで大宮GK加藤順に触れることすら許さず、ゴール右上隅に決まった。

 「駆け引きはいらんと思っていた」。キックの直前。MF宇賀神が、9日柏戦でFK弾を決めている、右利きのMF阿部を近くに立たせることを提案してきた。相手を迷わせるのが狙いで、妥当な策でもあるが、あえて耳を貸さなかった。「得意な位置。しっかり蹴れれば決まるという自信があった」。

 加藤順は浦和出身で、柏木が直接FKでニアを狙いがちだと知っていた。裏をかいてファーサイドを狙う手もあったが、それでもニアへ。「自分を曲げたくないという気持ちもあった。しっかり集中して、自分に勝ったからこそ決まったと思う」と振り返った。

 リーグ戦6年連続FK弾は、横浜MF中村に並ぶ最長記録。尊敬する先輩を立てて「俊さんは海外長かったから」と言ったが、すぐに「オレは来年も決めるよ」と目を光らせた。【塩畑大輔】

 ▼J1連続シーズン直接FKゴール 浦和MF柏木が今季初、通算6点目の直接FKゴール。11年から6年連続で記録。J1で6年連続のFK得点は、横浜MF中村が97~02年に達成したのに次ぐ史上2人目の最長タイ記録。中村は02年途中に海外へ移籍しJ1での記録は途切れた。