J2清水は2-0で北九州に快勝し、2シーズンぶりの4連勝で今季初の3位に浮上した。前半32分にFW大前元紀(26)が先制点。後半ロスタイムにFW鄭大世(32)がPKで追加点を挙げた。両エースは3試合連続のアベック弾。2位松本との勝ち点差は3に縮まった。今季残りは5試合。J1自動昇格圏2位以内が視野に入ってきた。

 ダブルエースが3試合連続で決めた。前半32分、右クロスからの折り返しに大前が滑り込みながら右足を伸ばした。「いいボールが来たので合わせるだけだった」。背番号10の今季16点目となるゴールでリードを奪うと、もう1人の主役も最後に魅せた。後半ロスタイム、相手のハンドで得たPKでFW鄭は冷静に右隅に流し込み、追加点を挙げた。清水では、2001年に三都主アレサンドロとバロンの2人が記録して以来15年ぶりの3試合連続アベック弾となった。

 チームは2季ぶりの4連勝だが、鄭は謙虚に言った。「僕ら2人が取れているのは守備が無失点に抑えてくれているから」。事実、3試合連続の完封を果たし、今季計37試合で33失点と1試合1失点以下に抑えている。選手に攻守の切り替えを意識付けてきた小林伸二監督(56)も「危ない場面でも守れている。失点ゼロだったことがよかった」と満足げだった。

 攻守の歯車がかみ合い、チームは今季初めて3位に浮上した。J1自動昇格圏2位松本との勝ち点差は3になった。9月25日の直接対決で敗れた時は7に広がったが、この1カ月の4試合で4を縮めた。残り5試合。いよいよ宿敵を射程圏にとらえ、大前は言った。「この勢いを止めずに次も勝ちたい」。鄭も「やることは変わらない。目の前の相手に勝って勝ち点を積み上げていくだけ」と自信たっぷりに話した。実りの秋。最大の収穫=J1復帰の条件は整った。【神谷亮磨】