実は、あのPKはフェイントではなかった。日本協会は12日、都内のJFAハウスで審判委員会を開き、6日の天皇杯2回戦・名古屋グランパス(J1)-奈良クラブ(奈良県代表)で、競技規則の適用ミスが起き、PK戦のやり直しとなったことへの処分などを決めた。清水修平主審は公式戦3カ月の審判活動禁止、副審の小椋剛氏と池田一洋氏には同2カ月の処分を出した。

 騒動の原因は、奈良クラブの4番目のキッカー金久保が蹴る直前に2度左足ケンケンをして右足で決めたシーン。主審はそのゴールを無効とし、やり直しを命じ、その後成功となった。しかしルール上は、やり直しではなく、失敗と判断すべきで、その適用ミスが勝敗に影響したことからPK戦のやり直しが決まった。

 だが、あの動作は違反ではなかった。審判委員会に出席した8人の委員は全会一致で「フェイントではない」と判断。小川佳実委員長(58)は「助走では止まったり、ケンケンしても違反ではない。シュートの時のみフェイントになる。あのケンケンは助走中。今回は判断ミスと適用ミスが重なったが、適用ミスの部分が重大な誤りです」と話した。PK戦からのやり直しは予定通り実施される。【盧載鎭】