セレッソ大阪から浦和レッズへ完全移籍することが決まった元日本代表FW杉本健勇(26)が22日、決断に至った思いを語った。

「たくさん考えて、最後は1人で決めた。代表で活躍してワールドカップ(W杯)に行きたい。その環境があるのは浦和やと」

昨季22得点を挙げた杉本だが、今季は度重なるケガにも泣かされ5得点に終わった。昨オフ、スペイン1部ヘタフェからオファーがあり、移籍に傾いていた。しかし、長年の懸案だった左足首遊離軟骨の除去手術を受けた影響もあり断念。すべてはW杯ロシア大会を見据えたプラン。しかし、代表メンバーから漏れた。

移籍に関する相談もしていたという日本代表ハリルホジッチ監督が、本大会直前に解任された流れもあった。それ以上に杉本には違和感があった。

「クラブではできるプレーが代表ではできない。なぜか考えたら、(代表では)プレッシャーを感じてるんやないかと」

下部組織から育ったC大阪への愛着は深い。しかし、その環境に「甘んじていた」と自戒する。浦和サポーターは日本一といえるほど熱く、裏を返せば厳しい。常にとてつもない重圧を与えられる環境も一因。C大阪も同等の条件で引き留めを図った。詰めの残留交渉では玉田社長(当時)、大熊チーム統括部長、森島強化部長(現社長)のトップ3が、深夜まで説得したという。

最終的には高みを目指す思いが変化を求めた。

「(トップレベルでやれる勝負は)あと5年と思っている。5年なんてあっという間。今やるしかない。ほんまにスターになりたいと思ってるから」

将来的に欧州挑戦の意欲も強まった。その思いも浦和に認められての移籍決断という。夢のためにも、浦和で結果を出して認めてもらうしかない。

「昨年の自分なら歓迎されたやろけど、今年はどうかな。まあ、いろいろな意見はあると思うし、応援してくれる声も聞いている。自分は結果で応えるしかない」

22年W杯の舞台カタールへ。杉本は新たな環境でスタートを切る。【実藤健一】