北海道コンサドーレ札幌は1-2で大分トリニータに敗れ、就任2年目のミハイロ・ペトロビッチ監督(61)体制でJ1リーグ戦初の3連敗を喫した。

今季最速となる前半2分に失点すると、同26分にはオウンゴールで2点目を献上。後半24分にオウンゴールで1点奪うも追いつけなかった。昨季4位と躍進したチームが弱点を突かれて直近3戦で9失点、順位も降格圏目前の15位に後退した。昨季以上に札幌を警戒するライバルと立ち向かうために、建て直しが急務となった。

   ◇   ◇   ◇

あっという間にゲームプランが崩れた。試合開始から1分12秒。札幌はダイレクトで折り返されたマイナスの左クロスを相手FW藤本に決められ、いきなり失点した。同26分にはオウンゴールで追加点を許した。連敗中に序盤での2点のビハインドはあまりにも大きかった。ペトロビッチ監督は「スタートの失点は選手にとって非常にショック。落ち着いてプレーすることができなかった」と早すぎる一撃を悔やんだ。

弱点を突かれた。相手FW藤本は「左右のサイドのギャップを狙った」。言葉通り、2失点の起点はぽっかり空いた自陣サイドのスペースから。前節名古屋戦も同じ展開で失点した。両サイドが前線まで上がり攻撃するのがミシャ・サッカー。昨季右サイドを務め、浦和時代から独特のシステムで戦うMF駒井が今季は開幕から負傷で長期離脱。この日、4戦ぶりに唯一変わったスタメンは同位置のMF中野で、最近3試合の交代は9人中5人がサイドの位置。攻守ともにフィットするキーマンを模索するなかの敗戦だった。

逆襲も見せた。後半24分には3人のワンタッチパスから中野がゴール前まで進入。柔らかい左クロスでオウンゴールを誘った。後半だけでシュートを7本。MF宮沢主将は「終盤は押し込めた。前回に比べれば少し良くなった」。0-4で完敗に終わった名古屋戦からの前進を話した。

しっかり対策を立ててきた昇格組の大分に手痛い敗戦。札幌2年目で初の3連敗にも指揮官は「パニックになることが良くない。冷静に分析して準備する必要がある」とどっしり構えた。昨季は4位と躍進。ライバルのマークが厳しくなるる今季はより力をつけて、立ち向かわないといけない。【西塚祐司】