北海道コンサドーレ札幌MF駒井善成(27)が3日の天皇杯2回戦ホンダFC戦で、今季初めて公式戦に出場することが濃厚となった。

2日、試合会場の札幌厚別公園競技場での前日練習で、右シャドーとしてプレーした。今年1月にタイ合宿での対外試合で右膝半月板を損傷し、約5カ月間戦列からから離れていた。昨季クラブのJ1最高順位となる4位に貢献した背番号14が、214日ぶりに公式戦のピッチに帰って来る。

   ◇   ◇   ◇

駒井が待望の“開幕”を迎える。昨季のリーグ戦最終戦ホーム・サンフレッチェ広島戦(18年12月1日)以来の公式戦に臨む。「楽しんでやりたいなと思っています」と本番を待ち切れない様子だった。昨季は主に右サイドハーフとしてリーグ戦29試合に出場したが、今年はシーズン前に右膝を負傷して戦線を離脱。地道なリハビリや体幹トレをこなして、やっとピッチに帰ってくる。

実戦復帰はぶっつけ本番になる。長期離脱の場合は通常、練習試合から段階を上げていく。だが復帰時期が中3~4日で公式戦が続いている真っ最中と重なった。2日の前日練習では右シャドーに入って軽快な動きで攻撃のコンビネーションを確認した。「あとは体がついてきてくれたら」。昨季、就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(61)と一緒に浦和から加入した。名将の下でプレーして4季目の愛弟子は、どの位置でも対応できるイメージを持っている。

もちろん、肩慣らしの場にするつもりはない。JFLで3連覇中のホンダFCは天皇杯で07年に8強、16年に16強入り。Jクラブを破り「アマチュアの雄」と呼ばれている。「悠長なことを言ってられない。一発勝負なのでとりあえず勝つことが大事」。チームの目標であるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権がかかる大会でもある。初戦で良いスタートを切りたいところだ。

チームはケガ人が続出しながらもリーグ戦前半を暫定6位で折り返した。完全移籍となった今季、駒井はまだ出番がないだけに後半にかける思いは強い。「自分の持てる力を出せるように感覚を取り戻していかないといけない。良い準備をして頑張りたい」。結果と内容を求めて復帰のピッチに立つ。【西塚祐司】

<今季の駒井>

◆1月14日 タイ合宿がスタート

◆1月19日 現地チームとの今季初の練習試合で左シャドーとして50分間プレー。FWロペスのゴールをアシスト

◆1月23日 2戦目となるの練習試合で右サイドハーフで先発。45分間プレーし2試合連続でアシストを記録

◆1月27日 プレシーズンマッチ「Jリーグアジアチャレンジinタイ」のバンコク・ユナイテッド戦にボランチで先発出場したが、試合中に右膝を負傷

◆2月1日 沖縄キャンプ開始。全体練習に加わらず別メニューで調整

◆2月23日 クラブが負傷した右膝半月板の手術を受けたことを発表

◆6月10日 札幌・宮の沢での全体練習に部分合流。約4カ月半ぶりにボール回しなどに参加。

◆6月24日 札幌・宮の沢での全体練習に完全合流。9対9のミニゲームで主力組のボランチに入る。