セレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(63=スペイン)が今季限りで退団することが19日、分かった。就任1年目の19年は5位に、今季も現在5位と健闘。安定した結果を残してきたが、クラブはさらなる強化を目指し、契約を更新しない方針を固めた。

同監督は1年目の昨季、リーグ最少失点の堅守で5位に躍進。今季は9月下旬から失速して現在5位に後退も、残り7試合でACL圏内の3位以内に入る可能性は十分ある。選手らの総人件費は19年度で約24億円のC大阪は、1位神戸の約69億円、2位名古屋の約40億円に遠く及ばないリーグ10位だが、指揮官が守備をベースにした戦術で選手の能力を引き出してきた。

実際にクラブ内では、同監督の続投を支持する声もあった。来季は4チームがJ2へ自動降格となる。C大阪は過去3度も降格しており、監督交代によるリスクの有無も議論された。だが、現時点でリーグで4番目に少ない総失点に比べ、総得点は10番目。悲願のJ1初優勝へは、もう1ランク上の攻撃力が必要と判断した。

後任の選定は今月中に行う見込みで、ともにクラブOBで元日本代表MFの名波浩氏(47)、元韓国代表FWの黄善洪(ファン・ソンホン)氏(52)の招聘(しょうへい)や、小菊昭雄コーチ(45)の内部昇格の可能性もある。中でも磐田で監督経験がある名波氏は、現在もC大阪とのパイプが強く、攻撃力を向上させるには適任だ。もう1つの本拠地「桜スタジアム」が新装される来季、新生セレッソがスタートする。

◆ミゲル・アンヘル・ロティーナ◆ 1957年6月18日、スペイン生まれ。DFとして母国クラブでプレーし、33歳で指導者へ。母国のエスパニョール、ビリャレアルなどで監督を歴任し、J2東京Vでは17年5位、18年6位。19年はC大阪で現実的な試合運びを武器に5位に。システム4-4-2は不動。