20年シーズンをもって現役を引退した川崎フロンターレの中村憲剛さん(40)が、川崎市のブランドメッセージポスターに起用された。

まっすぐにこちらを見つめる中村さんの写真とともに、引退を決めた中村さんからのメッセージが添えられている。

 

「子どもの頃からずっと、目の前のことだけを追いかけてきた。気づいたら等々力にいた。泣いた。笑った。そして現役を退いた。

今を懸命に生きることで、未来へと突き進んできた。きっとそれは、この先も変わらない。

やること全てが挑戦になる。楽しみでたまらない。オレはそうなんだ。キミはどうだろう?」

「さ、行きますか。」

 

19日には市役所で行われた市長定例記者会見に出席し、「引退した自分を使っていただいた川崎市のみなさんに感謝したい」などと話した。

市は昨年9月ごろから別のポスター企画を練っていたが、11月1日に中村さんが引退を表明したことを受けて、出演を打診した。引退を決めてもなお前向きなメッセージを発信する中村さんの姿が、さまざまな困難に立ち向かう川崎市の姿と重なったという。

撮影は引退前の昨年12月、練習後に麻生グラウンドで行ったといい、中村さんは「シーズン中なので、気を使ってかなり短時間で撮影していただいた。私服でドアップなので、みんな誰だか分かるかな(笑い)。次のステージへの期待は表情に入れたつもり。(仕上がりを)良くしていただいてありがとうございます」と感謝を述べた。

川崎市の「ブランドメッセージポスター」は、24年の市制100周年に向けて16年から制作されており、過去には川崎市出身のロックバンド「SHISHAMO」などが起用されてきた。鉄道路線全駅を含む市内全域に掲出される。