青森山田(青森1位)が圧勝Vで会心の新チームスタートを切った。準決勝で尚志(福島1位)を5-0で圧倒し、決勝でも仙台育英(宮城1位)を6-1で一蹴。4試合で18得点2失点の破壊力で4年連続8度目の優勝を飾った。

分厚い選手層を誇る青森山田に新星が登場した。1年生ストライカーFW小湊絆(つな)が強烈な存在感を放った。仙台育英との決勝は2-1で迎えた後半開始早々、2列目から飛び出し、最後は相手GKとの1対1を冷静に対応。3試合連続ゴールを決めた。全4試合いずれも後半からの途中出場ながら、チーム最多の4得点をマーク。「突破力とスピードが持ち味。しっかり発揮することができた」と納得の表情で振り返った。

横浜FCジュニアユース出身だが、ユースに上がる考えはなかった。「青森山田のダイナミックなサッカーに憧れた」と名門の門をたたいた。今冬は同校恒例の“雪中トレ”を初めて経験。新雪のピッチ上をひたすら走り込み、「本当にきつい。足がパンパンで筋肉痛になる。何とか食らいつく感じ」と、一冬越えて強靱(きょうじん)な足腰を手に入れるつもりだ。

悔しさも糧にする。11日に終わった全国選手権はメンバー外。「県予選ではベンチ入りだった。でも、全国大会は自分よりも良い選手が選ばれた」。2年連続準優勝に終わった瞬間は、同校の体育館でスクリーン越しに見届けた。「来年、自分が選手権でプレーする気持ちが強くなった」。今大会決勝は選手権同様に、4-1-4-1のシステムを試した。1トップの先発争いは現状、同選手権で3得点を挙げたFW名須川真光(2年)が1歩リード。小湊は「どんどんアピールしていきたい」と鼻息を荒くした。【佐藤究】