東京ヴェルディの城福浩監督(65)が「情けない試合」から2週間後、その借りを返した。
ジェフユナイテッド千葉をホームの味スタに迎えた。狙い通りの完璧な守備で、相手のシュートはわずか2本。しかも枠内はなく、GK長沢祐弥がシュートセーブする場面はなかった。
そしてエースFW染野唯月ら3選手が出場停止だったが、代役となったFW寺沼星文(しもん)が後半6分にこぼれ球を押し込み決勝点を奪った。起用も含め、すべてが当たった。
試合後の会見では、バスに乗る着前まで映像を見せるなど、しつこいぐらいの指導をしていたことを明かした。
「前々節になりますけども、アウェーの地で情けない試合をサポーターに見せてしまった。前半が非常に悪かったことを踏まえ、我々のできる準備をしっかりしてきました。もちろんフレッシュな選手もいたので、彼らをいかに生かすかというところもみんなで共有して、今日の最後、バスに乗る直前のミーティングの映像でも最後までちょっとしつこいぐらいそこを共有して今日の試合に臨みました。選手は非常に緊張感のある、集中力のある試合をやってくれたと思います」
具体的にどんな映像を見せたのか? そう問われるとこう回答した。
「アウェーの地での前半がどうだったのかという象徴的なシーンを1つ見せて、(その試合で)我々は後半に反撃をしたんですけども、それがどういうシーンが象徴的なのかっていうのを選んで、それを共有してバスに乗りました。そんなに戦術的なことというよりは、ベーシックなところをみんなで共有しました。もちろん個人を生かすっていう意味でのところも含めての紅白戦の共有、映像の共有だったりもまじえていますけども、基本的には我々がベースとして大事にしたいものをもう一度見せたということです」
迷いなくボールにチャレンジする。そういうシーンであろうことが頭に浮かぶものだった。
3選手が出場停止。そんな状況の中、今週の練習で強調したのは「何故プロになったのかっていうことを、本人だけじゃなくて周りがそれを意識して引き出すような。その状況の中から我々らしいサッカーとはなんぞやというところは今週突き詰めてきた」という。
反骨の指揮官らしい、魂のこもった熱いものだったことは想像に難くない。
また、この試合中、ベンチ前から何度も激しく大声を張り上げる場面があった。
そのガッツリとファイトしていた中身は何だったのか?
「前半に関してはクロスの種類ですね。球種を、寺沼星文を生かすためのことをやってきたにもかかわらず、そうじゃない種類のクロスをある程度フリーな選手が入れてたんで“何回も言わせんな”というような、彼を生かすボールということをもう確認をしたというのが、まず多分そういうふうに見えたのかなと」
さらにこう続けた。
「後半に関しては、守備の途中から入った選手の守備のエネルギーのかけ方が一発でボールに行っちゃってたんで、やはり途中から出た選手ってのは2度追いというか、2人を見ながらその出力を上げていくっていうことを。ちょっと逆サイドの選手だったんでそこはなかなか伝わらず、ちょっと強めに言いました」
「情けない試合」から2週間、誰よりもリベンジの思いを持っていたのは城福監督だった。【佐藤隆志】



