アルビレックス新潟は敵地で開幕を迎え、昨季5位ギラヴァンツ北九州を4-1で粉砕した。

前半29分、DF千葉和彦(35)の復帰1号で先制すると、1-1で折り返した後半12分にFW鈴木孝司(31)の移籍後初ゴールで勝ち越し。最後はMF本間至恩(20)の右足シュートでダメ押した。新潟はJ1だった16年から6年連続で開幕戦負けなし。大量得点で勢いづくチームは次節(6日)、ホームにV・ファーレン長崎を迎える。

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鈴木の狙い通りのヘディングシュートが勝ち点3に直結した。1-1の後半12分、右サイドを抜け出したたMF高木善朗(28)のクロスにタイミングよく飛び込んだ。「最初はマイナスで(クロスを)もらおうと思ったが、ニアにロメロが行ったので、遠い位置にギアを上げて入っていった。練習試合でも同じようなシーンがあったので、その反省を生かした得点だった」。エースの得点で勢いづいたチームはその後、得点を重ねた。「自分たちのサッカーを表現できて良かった」と喜んだ。

先制点を決めた千葉はJ1広島に在籍した18年以来の公式戦ゴール。新潟では11年(当時J1)以来の“復帰ゴール”となった。千葉は「前日にニンニクを食べたので誰もマークにこなかった。得点を取るタイプではないのでフワフワしている」と冗談を飛ばしたが「後半立ち上がりの苦しい時間帯をしのぎ、うちが追加点を奪えたことが大きかった」と勝因を話した。

大勝で今季スタートを切ったアルベルト監督(52)は「チームが成熟度を上げていることをピッチで表現できた」とほおを緩め、「前半で大きなミスが数回あったが、最後まで自分たちのプレースタイルを貫いた結果が勝利つながった。ベテラン、若手がうまくかみ合った」と選手をねぎらった。

アウェー開幕戦で攻撃の柱となった鈴木は「FWとして守備のスイッチだったり、他の選手が前を向けるような(ポスト)プレーをもっと増やしたい。まだまだ。もっと良くなる」と次節ホーム開幕戦へ向けて気持ちを切り替えた。【小林忠】

○…GK阿部航斗(23)とMF三戸舜介(18)がプロデビューした。阿部は前半に1失点したものの的確なポジショニングと指示でゴールを守り、正確なフィードでも貢献した。後半ロスタイムから出場の三戸は鋭いドリブル突破で好機を演出するなど短い出場時間で存在感を示した。