北海道コンサドーレ札幌は浦和レッズと0-0で引き分けた。スコアレスドローも連敗は2で止まり、3試合ぶりに勝ち点を重ねた。大卒ルーキーGK中野小次郎(22)が、今季リーグ戦初先発。攻撃陣が再三の決定機で得点できないなか、好セーブをみせ無失点で守り抜いた。

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プロ生活をスタートさせたばかりの身長2メートル、法大出身GK中野小が札幌のゴールを守り抜いた。リーグ戦で今季初めて先発に起用された。特別指定選手だった昨季は5試合に出場し、ルーキーながらすでにJ1のレベルを理解している。「僕の強みはどんな試合も冷静に平常心を保てるところ」と話したとおり、緊張でバタつくことなく、堂々としたプレーで今季チーム初の無失点ゲームに貢献した。

めぐってきたチャンスを無駄にはしない。自身の仕事を全うした。前半42分。浦和FW杉本のシュートに飛びついた。枠内を捉えていたが、必死に阻んだ。後半28分のFKでも好反応。「自分のパフォーマンスを発揮できた」とナイスセーブを連発した。「チームとしては勝っていない。正直悔しさは残る」と残念がったが、期待して送り出してくれたペトロビッチ監督(63)を裏切ることはなかった。

計11本のシュートを放ち、攻め続けた味方の得点が生まれなかった。横浜FCとの開幕戦を5-1で大勝したが、名古屋戦(0●1)広島戦(1●2)と敗戦が続いた。2試合とも決定機を多くつくりながら決めきれず、相手のわずかなチャンスでの失点が響いた。この日は中野小の好セーブも含め大きなミスをすることなく、試合を支配した。「少ないチャンスを決められて、負けることはよくある。ラッキーだったと思わないといけない。相手にチャンスを与えない試合はできている」と指揮官。負けなかったことは評価した。

チームとして前向きに捉えたいのは、10日広島戦を右足首痛で欠場したMF駒井が2試合ぶりに先発に復帰し、新加入のMF青木が後半36分に移籍後リーグ戦初出場を果たして、前進できたことだ。中野小もプロとしての初リーグ戦を無失点で終え「次は勝てるように」。次節20日神戸戦へ、自信と気合を高めていた。【保坂果那】