帝京長岡高サッカー部のMF広井蘭人(3年)が来春、関東大学リーグ1部の強豪で、日本代表MF三笘薫(25)らを輩出している筑波大への進学を決めた。足元のテクニックと発想力豊かなパスで攻撃を操るレフティーにはJクラブから正式オファーが届いたが、大学でのプレーを選択した。心技体をさらに磨いて強くなり、大学からプロ入りの道を切り開く。

大学4年間で自分の可能性を広げてみせる。年代別日本代表に招集された経験を持つ広井は卓越したテクニックとパスで相手を翻弄(ほんろう)する攻撃的MF。2年時から練習参加していたJクラブから正式オファーを受けたが、140人以上のプロ選手を輩出する筑波大へ進学することを決意した。シュート精度、守備や、対人プレーの強度向上などスペシャルな存在になるにはまだまだやることが多い。「全てにおいてもっとレベルアップしてからプロ入りにチャレンジしたいです」。

サッカー小僧は、カタールで開催中のワールドカップ(W杯)は全試合をチェックしている。「おもしろい。すごく勉強になります」。筑波大進学は、ドリブル突破を武器に日本代表の16強進出に貢献した三笘と同じ道、“後輩”となる。パサータイプの広井とプレースタイルは異なるが「いつか、あんな風になりたい」と夢を膨らませている。

今春、オランダの名門フェイエノールトからオファーを受けて、育成組織の練習に参加した。夏には再び同クラブに合流し、メキシコで開催された大会に出場するなど同世代の海外選手と対峙(たいじ)し、刺激を受けた。「(大学で)技術の高い相手にどれだけやれるか。楽しみと不安両方あるが成長したい」と、ハイレベルの選手が多く集まる関東大学リーグで左足に磨きをかけるつもりだ。

自身3大会連続出場を狙った高校生活最後の全国選手権は、県大会準決勝で優勝した日本文理に敗れた。「3年間でいいこともつらいことも経験した。悔しさは消化できていないが、次のステージに生かしたい」。広井の挑戦はまだ始まったばかりだ。【小林忠】

◆広井蘭人(ひろい・らんど)2005年(平17)3月5日生まれ、新潟県小千谷市出身。小千谷SC-FC大和ジュニオルス-長岡JYFC-帝京長岡高。U-15、16日本代表候補でU-17日本代表に選出される。20年度の全国選手権では1年生ながら全試合に出場し、帝京長岡の2年連続4強進出に貢献し、大会優秀選手に選ばれる。22年U-17日本高校選抜。蘭人という名はディズニー好きの母利恵さんが名付けた。171センチ、61キロ。