鹿島アントラーズが3位名古屋グランパスを2-0で下し、1季ではクラブ史上初の5戦連続無失点勝利を飾った。
「Jリーグ30周年記念マッチ」で93年の開幕節と同一カード。当時は主将マークを巻いたジーコ氏のハットトリックで5-0と圧勝し、30年後の試合も主将で下部組織出身のFW鈴木優磨(27)が先制弾で勝利に導いた。昨年から1度も勝てていなかった上位を撃破し5連勝。「常勝鹿島」が戻ってきた。
◇ ◇ ◇
約5万6000人が詰めかけたサッカーの聖地で、鹿島が伝統の勝負強さを見せつけた。前半29分、鈴木が右CKからMF樋口の浮き球にファーで頭を合わせ先制した。「ドヤ顔」で右手人さし指を天に突き刺す。前段は前半12分、同じ右CKから同じ頭でネットを揺らしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で自身に反則があったとして幻に。文句なしの“2度目の先制弾”になった。
「(幻弾と)同じような形で、うまく狙って決めることができた」とし、天を指さすパフォーマンスを説明した。「たくさんの人が携わって今の自分が成り立っている。先祖とかに向けてやっている。こんなに素晴らしい環境でサッカーをできるのは当たり前ではない。勝てて良かった」と。
30年前の5月16日、カシマでの名古屋戦で主将のジーコがハットトリックを決めた。5-0。歴史が幕を開けた。その神様がプロの姿勢を植えつけ、国内外の20冠を獲得し、常勝へと駆け上がった。30年後の記念試合でも2-0で勝利。最新の主将マークを受け継ぐ鈴木は「鹿島の選手がつくり上げてきたものに続いていかなければいけないという、身が引き締まる思い」と伝統の重みを口にした。
一方で、国内タイトルは16年度の天皇杯から遠ざかる。昨季からは上位3クラブ相手の未勝利も続いていた。今季も4連敗で一時15位まで沈んだが、特別な試合で3位名古屋に勝って5連勝。岩政監督は「新しい歴史を紡ぐ1歩になる。選手たちは乗り越えた」と新時代の伸びしろを感じた。
鈴木も「鹿島には特別な試合はない。どの試合も同じモチベーションで臨むのが僕が知る鹿島で、僕が見てきた先輩の姿」と記念試合でもスタンスを変えなかった。節目に限らず「勝者のメンタリティー」を保つことが、常勝を受け継ぐことになる。【岩田千代巳】
<鹿島-名古屋の対戦データ>
◆対戦成績 鹿島が37勝5分け23敗と大きく勝ち越し。対戦カード別で37勝はJ1最多。2位は横浜の浦和戦と広島戦で35勝。
◆初対戦 93年5月16日、鹿島が本拠地カシマでMFジーコのJ初のハットトリックなどで5-0と大勝。以降、名古屋にとってカシマは「鬼門」となり、鹿島が15連勝。ナビスコ杯(現ルヴァン杯)を含めたJ公式戦では20連勝を記録。
◆得点者 鹿島はFWマルキーニョスの8点、名古屋はFW森山泰行の7点が最多。現所属選手では鹿島の鈴木優磨がこの日の4点目で単独最多となった。



