7季連続無冠に沈む鹿島アントラーズの新監督有力候補に、町田や東京などを率いたランコ・ポポビッチ氏(56)が挙がっていることが13日、分かった。複数の関係者によると、既に接触しており、条件等の交渉に入っているという。今月4日に岩政大樹監督(41)の就任1年半での退任を発表。欧州の指揮官を中心に後任をリストアップしていた中、日本で指導経験があり、攻撃的スタイルの同氏が浮上した。

セルビア出身でオーストリア国籍。現在はセルビアでレッドスター、パルチザンと並ぶ3大クラブのボイボディナを率いている。現役時代は元日本代表監督・故オシムさんの教え子で「人もボールも動く、考えるサッカー」を学んだ。日本では09年から大分、町田、東京、C大阪の監督として一定の結果を残してきた。

今季リーグ5位の鹿島はJ草創期からジーコスピリット(献身、誠実、尊重)を守り、通算20冠の常勝軍団として名をはせた。一方で16年度の天皇杯優勝を最後に国内タイトルから遠ざかり、今年もルヴァン杯8強、天皇杯3回戦敗退と過渡期が長引いている。20年からの4年間はザーゴ、相馬直樹、バイラー、岩政の各氏に任せたが、志半ばで退任。巻き返しの来季へ新監督の招請を急いでいた。

◆ランコ・ポポビッチ 1967年6月26日、旧ユーゴスラビア(現セルビア)ペチ生まれ。現役時代はセンターバックとして旧ユーゴのパルチザンやオーストリアのシュトルム・グラーツでプレー。現役引退後は日本やスペインのサラゴサ、タイのブリラムなど各国監督を歴任した。20~22年はJ2町田を指揮。今年8月、セルビア1部ボイボディナの監督に1年契約で就任していた。183センチ。