日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂氏(79)が10日、西ドイツ代表として世界を魅了した「皇帝(カイザー)」フランツ・ベッケンバウアーさんの死去に追悼の意を表した。

「初めて対戦した時の印象は強烈だった。1975年の年明け早々、前年の西ドイツワールドカップを制したメンバーを中心に固め、世界最強と言われたバイエルン・ミュンヘンを国立競技場に迎えた。彼は難しいことをいとも簡単にやってのける。その技術の正確性、戦術眼。どれも素晴らしい上に、そのプレーはエレガントだった」

ベッケンバウアーさんと真剣勝負した経験は、今でも鮮明な記憶が刻まれている。75年1月にBミュンヘン(西ドイツ)の一員で来日時、男子日本代表歴代1位の国際Aマッチ75得点を誇るストライカーとして初対戦。79年10月にもニューヨーク・コスモス(米国)のメンバーとして国立競技場で対決した際には、同チームにブラジル代表の「王様」ペレも同じピッチに立っていた。釜本氏にとっては忘れることのできない貴重な2試合だ。

「その後、個人的に交流があり、次のドイツワールドカップ(2006年)ではブラジルのペレと3人で並んで観戦したのも思い出だ。彼の50歳の誕生日には夫婦で招待を受けて、楽しく過ごした。あの時もらった腕時計が形見になってしまった。ペレ氏も亡くなり、寂しくなりました」

22年12月になくなったペレさんに続く訃報。親交も深かった戦友を次々に失った悲しみに包まれていた。