J3のFC大阪は、ホームでJ2いわきFCに敗れ、1回戦で姿を消した。

J3リーグで開幕3連勝で首位に立つFC大阪は、リーグ戦からメンバーを入れ替えて臨み、関西大出身のルーキー2人がそろって公式戦初先発した。

FW西村真祈(まさき、22)は経験豊富なFW重松健太郎(32)とのツートップで出場。攻守に果敢に走り、局面に強い相手に食い下がり、前への姿勢を見せた。

西村はJデビュー戦となった9日ツエーゲン金沢戦で、わずかな出場時間ながらも思い切って左足を振り抜いてチーム6点目を生み出した。得点記録はオウンゴールとなり、初ゴールは幻となったが、点取り屋としての意欲の高さを示していた。

プレシーズンからここまでについて、西村は「練習試合での結果は出せていたけど、開幕戦のメンバーには選ばれなかった。それでまだ足りないと思って、気持ちを切り替えた。もっと突き詰めてやっていかないといけない」。その切り替えが、出場時間を増やすことにつながっている。

MF登録の堤奏一郎(22)は、この試合には左サイドバックでピッチに立った。サイドハーフが本職ながら、大学時代にも経験があるというポジションでチャンスをつかむと、持ち前の積極的な仕掛けからのクロスで好機演出を試みた。新たな一歩を踏み出した堤は「やれた部分もあったけど、負けてしまった。縦への推進力や左右どちらでもできるのは自分の特長なので、課題に目を向けながらも武器は伸ばしてアピールしていきたい」と前を向いた。

関大から今季Jに進んだ選手のうち、湘南ベルマーレDF高橋直也(22)はまだ出場がないが、J2愛媛FCで開幕メンバー入りしていたMF谷岡昌(22)は6日のルヴァン杯でデビュー。それぞれが新たな道を進んでいる。

そんな同期の中で最も目立っているのが、J3奈良クラブFW百田真登(ひゃくだ・まなと、22)だ。リーグ開幕から3戦連続でスタメン出場し、すでに2ゴールを記録。これには同じFWの西村も「意識しないって言うのはうそになる。百田が点取っていることはいい刺激になっているし、もっと頑張らんとなって言う思いです」と気持ちを強くする。

この日は見られなかったが、楽しみなのは関大コンビでの得点だ。堤は「今日は公式戦出場が初めてだったけど、(西村とは)呼吸が合うところはある。2人が関わるプレーを増やして、ゴールにつなげていきたい」。お互いをよく知る2人が、同期も驚くような結果を残すため、チーム内競争に挑み続ける。【永田淳】