ガンバ大阪が劇的勝利を飾ったサガン鳥栖戦で、頼もしい選手が戻ってきた。

後半30分にDF岸本武流(26)が途中出場。3月16日の第3節ジュビロ磐田戦以来の復帰を果たした。右サイドバック(SB)の位置に入ると、果敢な仕掛けで攻撃に勢いをもたらし、MF唐山翔自(21)らとの連係から何度もクロスを入れた。

試合後、取材エリアに「全治不明のけがから戻ってまいりました」と笑顔で姿を見せ「(クロスを)入れ続けることが大事だと思っていた。入れて、セカンド(ボール)でがちゃがちゃとなって入ればいいなと。めちゃめちゃきつかったけど、勝てて良かった」と復帰戦での勝利を喜んだ。

開幕から3試合連続先発し、右MFとしてチームを活性化させていた岸本は、3月31日に右ひざ後外側支持機構損傷、外側広筋肉筋挫傷での離脱が発表されていた。4月3日に取材対応したダニエル・ポヤトス監督(45)は「復帰まで3~4週ぐらい」と説明していたが、それよりも早い復帰となった。もちろん回復したことで戻れたわけだが、岸本は「チームの力になれたらと思って。“なるはや”で来ました」と少しでも早い復帰に向けて努力を重ねてきたことを明かした。

G大阪の右サイドはMFファン・アラーノ(27)が離脱しており、右SBもDF松田陸(32)が負傷離脱中で、DF半田陸(22)もパリ五輪を目指すU-23日本代表メンバーとしてアジア杯カタール大会に参加しており不在。この日の鳥栖戦でも、センターバックが本職であるDF福岡将太(28)を右SBで起用するなど、何とかやりくりしている状況だ。その状況下で右サイドならどこでも務められる岸本の復帰はチームにとって朗報。「僕、まだ負けなしなんです」と笑顔で話した通り、今季出場した4試合で3勝1分けと負け知らずのアタッカーが、右サイドからチームを盛り上げていく。【永田淳】