サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会に参加するはずが、米国に入国を拒否されたソマリア人の審判オマル・アルタン氏(34)が10日に帰国し、首都モガディシオの空港で大勢の市民が歓迎した。バレ首相も直接慰労し「彼は歴史に名を刻んだ。夢が打ち砕かれることはない」と英雄視した。欧米メディアが伝えた。

ソマリア人として初めてW杯の審判を務める予定だったアルタン氏は、次回大会への意欲を見せ、出迎えた市民らに「落胆しないでほしい。祖国のために立ち上がり続ける」と訴えた。モガディシオのスタジアムでは数千人のファンの歓迎を受けた。

アルタン氏は有効なビザ(査証)を携えていたが入国審査で11時間にわたり聴取されたという。米当局者は拒否の理由を「テロ組織構成員と疑われる人物らとの関係」と主張したが、真偽は不明だ。

共催国カナダの地方政府からは同国での試合への参加を求める声も上がったが、英BBC放送は、審判団の拠点が米フロリダ州にあるため、米国に入らずにカナダやメキシコで審判を務めることは不可能だと伝えた。

トランプ米政権は「米国をテロリストから守る」としてソマリアなどからの入国を制限しているが、W杯の選手やサポートスタッフは対象外とされる。国連のターク人権高等弁務官は「米国は人権を尊重し、移民政策を見直すべきだ」と訴えた。