王者アルゼンチン(FIFAランキング1位)のFWリオネル・メッシ(38)が、初戦でいきなりハットトリックを決めた。アルジェリア(同28位)戦で史上最多6度目の出場を果たすと、圧巻の3得点でチームを3-0の快勝へと導いた。大会通算得点数を16を伸ばし、歴代1位のミロスラフ・クローゼ(ドイツ)にも並んだ。「神の子」と称される史上最高のフットボーラーが、新たな金字塔を打ち立てた。

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W杯はメッシのためにあるのか。後半31分、MFゴンサレスのパスを受け、ボックス外から左足を振り抜く。偉大な父を持つアルジェリアのGKルカ・ジダンは懸命に右へ跳んだが、ボールに触れることさえできなかった。鋭いシュートがゴール左隅に決まった。

「メッシ!メッシ!メッシ!」の大コール。6万9054人の大観衆は騒然となった。前半15分のミドルシュートに始まり、後半15分にはこぼれ球を右足で流し込んだ後の一撃。意外にも自身初のW杯でのハットトリックだった。後半34分に交代する際はスタンディングオベーションに笑顔。代表200試合目で得点数も120に伸ばした。

「今、経験していることはすべてボーナスのようなもの。仕事でもプライベートでも夢見ていたこと、いや、夢にも思わなかった以上のことを成し遂げることができて本当に幸運だ」。「神の子」と呼ばれる男は人の子さながらに話した。

秘めた思いがあった。先制点の直後、涙をぬぐう姿が目撃された。なぜ涙したのか? 試合後に問われると「正直に言うとスポーツとはまったく関係ない話。私は困難で複雑な日々を過ごしていた」。何かプライベートな問題を示唆するように「代表チームのみんなには感謝してる。いつも自分のそばにいてくれ、乗り越えるための大きな力になってくれた」と吐露した。

史上最多6度目の舞台は最高のスタートとなった。18歳だった06年ドイツ大会のセルビア・モンテネグロ戦でデビューしているが、同じ「6月16日」だった。くしくも伝説が始まった日から20年となる日に、また新たな歴史を刻んだ。

スカロニ監督は「リオネル・メッシを言葉で表現するのは難しい。20年間、彼はこのようなプレーを見せ続けてきた。彼のプレーを見る人はみな刺激を受ける」と舌を巻いた。また、メッシのすごさを体感したアルジェリアDFマンディは「彼はチャンスがあればほぼ必ずゴールを決める。おそらく史上最高の選手だ。彼の効率性は驚異的だし、我々にとってはあまりにも強すぎた」と脱帽した。

バロンドール獲得は8度を数え、取るべきタイトルは取り尽くした。それでも米国マイアミに新天地を求め、再び迎えたW杯に気負いはない。「今はただ、この素晴らしいチームの一員として、気分良く、ピッチでプレーできることを楽しんでいる。これは子供の頃には想像もできなかったことだ」。イタリア、ブラジルに続く3カ国目のW杯連覇もかかる。今なおサッカー界を無双する「神」の行く手を阻む者はいない。

【データ】メッシがW杯で初ハット 38歳での達成は最年長記録 ロナウドは2018年に33歳で達成

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