優勝候補イングランド(FIFAランキング4位)が52年ぶり出場のコンゴ(同46位)を退け、3大会連続の16強入りとなった。エースFWハリー・ケイン(32=Bミュンヘン)が後半30分、同41分と連続ゴールを奪い、辛くも2-1の逆転勝ちを収めた。
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ゴールに飢えたサメたち-。メッシが異次元のプレーを見せれば、新時代を切り開くエムバペが続く。そして、母国の威信を背負う伝統的な「9番」ケインが決定力を見せつけた。力ずくで奪った2点だった。
1点を追う後半30分、ゴードンからのクロスを頭で押し込み同点とする。続けて同41分、再びゴードンからパスを受ける。複数の選手に囲まれながら右足を振り抜くと、強烈な勝ち越し点が決まった。W杯通算13点目。12点のペレ(ブラジル)を抜き、フォンテーヌ(フランス)と並んで史上6位タイに浮上した。
トゥヘル監督は興奮を隠せなかった。「彼らは皆サメだ。血の匂いをかぎつけている。このW杯のビッグな連中はお互いを見ているのか? 誰かがゴールすればハットトリックが出るし、それを追いかける。何が起こってんだ、おかしいだろ」。6点で首位のメッシとエムバペに続き、ケインはハーランドとともに5点。「特に2点目は圧巻だった」と舌を巻いた。
ケインの得点力は群を抜く。25-26年シーズン、クラブと代表合わせて62試合で72得点を記録した。内訳はクラブで61、代表で11。イングランド最多の国際Aマッチ通算84得点(118試合)は、ハンガリー伝説の名選手プスカシュに並ぶもので世界史上9位タイ。一流のキャリアにまた一つ箔(はく)を付けた。
「最高の気分だし、本当にクレージーな試合だった」。その言葉通り前半7分に先制点を奪われ、ボクシング風に言えば巧みなロープ戦術に大苦戦した。攻めあぐね有効打を出せず、終盤までもつれた。酷暑もあり32強でドイツ、オランダは消耗戦の末に敗れている。他人事ではなかった。
「相手キーパーは信じられないセーブを連発した。でもヒーローになる瞬間は誰にも訪れる可能性がある。それが今日は僕だった」。獰猛(どうもう)なサメもピッチを下りれば、人懐っこいイルカのようだった。


