ノルディックスキー・ジャンプの雪印メグミルクに2選手が新加入した。約1年半のフィンランドへのスキー留学経験のある池田龍生(22=慶大)と、22年北京五輪代表を兄に持つ中村正幹(18=東海大札幌高)だ。ルーキーコンビが、名門チームから世界に羽ばたく。

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3月まで高校生だった中村の新生活が始まった。兄はジャンプで22年北京五輪代表の直幹(26=フライングラボラトリー)、姉は複合女子でW杯優勝経験を持つ安寿(23=ショウワ)。そんな3人きょうだいの末っ子は、雪印メグミルク入りに「世界でも活躍している人たちと一緒に練習できるので、吸収しまくって、自分も活躍できるように」と思い描いた。

兄の影響でジャンプを始め、背中を追ってきた。北京五輪での飛躍をテレビで観戦し「すごいな」と刺激を受けた。目標は兄のほか「グラネル(ノルウェー)や(小林)陵侑さんとか世界トップの人たち」と、W杯個人総合優勝を2度達成している2選手の名前を挙げた。なぜなら「自分が目指しているのはW杯個人総合優勝」だからだ。

小中時代の9年間、サッカー少年だった。ポジションはGK。小学4年時の大会で急きょ務めてから、ずっとそのままだったという。フィールドプレーヤーのチームメートより足が速く、リフティングが得意で足元の技術にも自信があった。サッカーで鍛えた足首の操作性をジャンプに生かす。

東海大札幌高では1、2年時に全国総体で2年連続の日本一に輝いた。社会人1年目の目標は、ラストチャンスの世界ジュニア優勝を掲げる。「ナオキ」「アンジュ」と呼んで慕う兄と姉のように、世界舞台で戦う準備を整える。

 

池田は雪印メグミルク社内にある、同社商品の乳酸菌飲料「ソフトカツゲン」にちなんだ「勝源神社」で、絵馬にこう書き記した。「オリンピック金メダル」。10年バンクーバー五輪に感動して始めたジャンプで、夢をかなえるためのスタート地点に立った。「偉大な選手たちが築いてきたチームなので、本当に気持ちが引き締まります」と、背筋を伸ばした。

フィンランド仕込みのジャンプで勝負する。15歳だった16年8月、フィンランドへ渡った。半年間ソトカモ高に通い、その後1年は地元のクラブチームのボカティスポーツに所属した。当時は複合選手だった。距離の強豪国での成長を描き「日本でもそんなに速い人がいないなと思って、海外に行こう」と決断し、実行した。土屋ホームでコーチを務めたことがあるサラパランタ氏から指導を受け、ジャンプが向上。18年春に帰国し、高等学校卒業程度認定試験を受け、慶大に入学と同時にジャンプに専念することにした。

「フィンランドっぽい」と言われたことがある飛躍姿勢。大きく広げたV字が特徴という。より揚力を得やすくなり、空中での伸びが生まれる。あこがれの五輪舞台を目指し、「今の実力だったらまだまだなんですけど、自分の中では絶対に行けると思ってるので、そこはもう揺らがずに」と信じて励む。【保坂果那】