イーグルスが、歴史的ワンサイドゲームで2023年に35対38で敗れた雪辱を果たし、初優勝以来7季ぶり2度目のNFL制覇を遂げた。
史上初の3連覇を目指したアメリカン・カンファレンス(AFC)のカンザスシティー・チーフスと、ナショナル・カンファレンス(NFC)から2年ぶり出場のフィラデルフィア・イーグルスが対戦。戦前の予想を覆す、一時は34点差をつける展開でイーグルスが40-22の大勝を収めた。
ハーフタイムショーには、グラミー賞で最優秀楽曲賞やレコード賞など主要部門を含む最多5冠を達成したケンドリック・ラマーが登場。国歌斉唱は5度グラミー賞を獲得したジョン・バティステが行った。ドナルド・トランプ米大統領も、現職では初めてな生観戦した。
| チーフス | 22 | 0 1Q 7 0 2Q 17 6 3Q 10 16 4Q 6 | 40 | イーグルス |
◆試合経過
第1Q
▼チーフスのキック、イーグルスのレシーブで試合開始。 最初のシリーズは両チーム、パントに終わった。先攻のイーグルスは、史上9人目の2000ヤードラッシャーとなったRBバークリーに、まず預けた。第3ダウンではWRのA・J・ブラウンへ。26歳のQBジェイレン・ハーツからロングパスが通ったかに見えたが、ブラウンが相手CBのフェイスに手をかけたため、攻撃側のパスインターフェアランスの反則で、取り消された。チーフスもQBパトリック・マホームズが2度の短いパスを通したが、TEケルシーへのパスは逆に入って通せなかった。最後はプレッシャーをかろうじてかわし、QBサックこそかわしたが、投げ捨てになって阻まれた。
▼残り6分30秒 イーグルスがビッグゲインした。自陣31ヤードからのドライブで3ヤードロスし、同28ヤードから迎えた第2ダウン。QBハーツから右のWRドットソンへ71ヤードのロングパスが通った。TDかに見えたが、残り1ヤード。
▼残り6分15秒 ハーツがQBスニーク。後方支援の押し込みもあり、難なくエンドゾーンにねじ込んで先制した。2年前と同じくイーグルスが先制した。トライ・フォー・ポイントのキックも決まり、イーグルスが7-0でリードした。
▼第1Q終了 チーフスの第2シリーズもわずかな前進にとどまった。イーグルスに攻撃権が移ったところで、最初の4分の1が終了。今年のスーパーボウルは静かな立ち上がりとなった。
第2Q
▼残り14分15秒 チーフスの守備陣にビッグプレーが飛び出した。イーグルスの第2ダウンに対し、LBボルトンがプレッシャーをかける。相手QBハーツに無理して投げさせた右奥へのパスを、DBブライアン・コックが横っ飛びでインターセプトした。自陣1ヤードでターンオーバーに成功。
ハーツは200投以上もインターセプトされていなかったが、大一番で食らった。チームにとっても今季のポストシーズン4試合目で初のターンオーバー献上となった。
▼残り8分38秒 イーグルスが追加点を奪った。ターンオーバーし返した後、チーフスの攻撃をしっかり止めて迎えたシリーズでKエリオットが48ヤードFGを成功させた。リベンジへ10-0とリードした。
▼残り7分3秒 イーグルスの勢いが止まらない。10点リードした直後の守備で、チーフスのスターQBマホームズを苦しめる。第1ダウン、QBサック。第2ダウン、QBサック。第3ダウンにはインターセプトと、完膚なきまでに封じた。マホームズの右にロールアウトしてからのパスを奪ったCBクーパー・デジーンが、そのままエンドゾーン左へ走り込んでリターンTD。17-0と完全に試合を支配している。
▼残り5分40秒 イーグルスの勢いが、ますます止まらない。まず1本を返したいチーフスに対し、容赦なく守備ライン(DL)が襲いかかる。前シリーズに続いて、再びQBサックを見舞って、このシリーズもパントに追い込んだ。チーフスは攻撃ライン(OL)が崩壊している。
▼残り1分45秒 チーフスの攻撃陣は悲惨な状況に陥ったまま。残り2分を切って、自陣6ヤードからの攻撃で、またインターセプトされた。QBマホームズが、再びプレッシャーを感じながら短いパスを投げると、イーグルスLBザック・ボーンが横っ跳びでスーパーキャッチ。またも攻撃権を譲った。
チーフスは前半、QBサックを3度も浴びるなど大きくロスしたこともあり、獲得ヤードわずか23と完璧に封じ込まれている。マホームズは顔を悔しさでゆがめ、天を仰いだ。3連覇へ暗雲が色濃くなっている。
▼残り1分40秒 ターンオーバー後、最初の攻撃できっちりTDを奪った。QBハーツのパスが右から左へ流れてマークを外したWRのA・J・ブラウンへ難なく通り、エンドゾーン左へ。OLのベクトンと歓喜のダンスを披露した。キックも決まり、リードを大量24点まで広げた。
▼第2Q終了 何とか1本を返しておきたいチーフスだが、最後もパントに追い込まれた。第3ダウン11ヤードからのパスも通ることはなく、前半1度も第3ダウンの成功がなかった。3連覇を狙う王者が、まさかの無得点でハーフタイムショーへ。普段より時間が多い中、対策を取れるか。イーグルスは後半も主導権を握り続けて2年前の借りを返したい。
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ハーフタイムショー ケンドリック・ラマーが登場
第3Q
▼後半開始 コイントスで勝ち、後攻を選択したチーフスから攻撃した。スーパーボウルで逆転勝利できた試合の、史上2番目の差である24点ビハインドで迎えた中、前半と変わらなかった。いきなりQBサック2つを献上するなど、マホームズの判断に迷いが見える。パスターゲットを見つけられず、OLの懸命なプロテクションも、そこまで長時間では持たなかった。再びパントで、攻撃権をイーグルスに譲った。
▼残り5分18秒 イーグルスが着実に加点した。QBハーツがスクランブル2回で30ヤードを稼ぐなど、しっかり時間も使いながら前進。FGで3点を加えて27-0とした。
▼残り2分47秒 チーフスの苦悩が晴れない。後半にして、ようやくQBマホームズからTEケルシーへ初のパスが通る。ケルシーの恋人、米歌手テイラー・スウィフトが見守る前で1本が出たが、第1ダウンは獲得できなかった。もう時間がなく、この日初めての第4ダウン、ギャンブル。しかしマホームズの右へのパスは完全に見切られ、あわや3つ目のインターセプトとなりそうなタイミングでカットされた。
▼残り2分40秒 イーグルスが「34点差」にリードを広げた。スーパーボウルだけでなく、NFLの全試合を通じた最大の逆転は「33点差」。それを上回る領域に足を踏み入れた。相手の第4ダウンを止めた後、またも最初の攻撃で加点した。QBハーツから、WRスミスに46ヤードのロングパスを一発で。やりたい放題の展開となっている。
▼残り34秒 チーフスが「史上初の完封」だけは免れた。QBマホームズから新人WRワージーへ、ようやくのTDパス。6点を返した。1点でも多く返すべく2点コンバージョンを試みたが、ここはTEケルシーとの息が合わなかった。28点ビハインド、ちょうどTD&キック4つ分の差には詰めたが、苦しい状況で最終の第4Qに突入した。
第4Q
▼残り9分51秒 イーグルスが容赦ない。ランもパスも止まらず、再び時間を使いながらの前進でFG圏内へ。ここも決めて37-6と、再び点差を30以上に膨らませた。
▼残り9分42秒 チーフス、万事休す。全シリーズTDを奪い、守備ではターンオーバーを狙っていくしかない中、またもマホームズが襲われた。キャリア最悪となる6つ目のQBサックを浴びる。さらには、あわやワーストを即時更新する7つ目を食らいそうなほどのラッシュを受け、投げようとした右腕にDLから手をかけられ、ボールをファンブル。リカバーされて攻撃権を奪われた。
もうロングパスを狙うしかない展開のため、防御が持たない点は仕方ない部分もあるが、最後までイーグルスの4DLが破壊的な強さを示した一夜となった。
▼残り8分1秒 QB強襲のファンブルリカバーに成功したイーグルスが、最終盤にきても加点を逃さなかった。シーズンで史上9度目の2000ヤードラッシャーになったRBバークリーが、まだまだフレッシュで、陣地を稼ぐ。最後も無理せずFGを選択し、きっちり決めた。40-6と再び34点差に広げた。
▼残り2分54秒 チーフスが2TD目を返す。既に勝敗は決していた中でQBマホームズから、左隅のWRホプキンスへのパスが通った。2点コンバージョンも成功したが、焼け石に水で喜ぶ様子はなし。14-40の26点差で、再び、何とか30点差の不名誉は免れた。
▼残り2分42秒 イーグルスは勝利を確信した。ヘッドコーチのニック・シリアニに歓喜の「ゲータレード」シャワーが行われ、選手も抱き合って喜ぶ。スーパーボウルでは異例となる、控えQB(ケニー・ピケット)が最後は投入されたほど、歴史的大勝となった。
▼残り1分48秒 チーフスが、未来につながるTDを奪った。史上初の3連覇は夢と消えた状況ではあったが、QBマホームズが再びルーキーのWRワージーへ50ヤードのロングTDパスを決めた。悔しさにまみれながらも、この時だけは左の人さし指を掲げるビッグプレーだった。2点コンバージョンも決めて22-40。得点差を20点台から10点台に縮めたのが、せめてもの意地だった。
▼試合終了 残り1分48秒からの、相手のオンサイドキックもイーグルスが確保。7年ぶりの制覇を確信したオーナーもVIP席からフィールドへ降り、QBピケットはニーダウンして時計を進めた。ラスト25秒から最後のニーダウン。QBハーツと、チーフスのQBマホームズが握手をかわした2秒後、残り0秒となってイーグルスの2度目の頂点が確定した。
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■直近6シーズンで5度目の頂上決戦となるチーフスが経験と勝負強さで1歩リードする。アメリカン・カンファレンス(AFC)のチーフスは現役最強と称されるQBマホームズを擁する。攻撃の引き出しは多く、相手に的を絞らせない。AFC決勝でもパスとランで計3TDを決めるなど競り合いや勝負どころで無類の力を発揮する。
マホームズとホットラインを形成するTEケルシーやDTジョーンズら2連覇に貢献した主力は健在。新人で快足WRワージーがプレーオフで存在感を発揮しているのも心強い。
ナショナル・カンファレンス(NFC)のイーグルスは今季、全32チームで失点が2番目に少なく、喪失ヤードは最少。強力な守備ラインで相手にプレッシャーを与え続ければ勝機が広がる。攻撃ではランを武器にし、命運を握るのは史上9人目の2000ヤードラッシャーとなったRBバークリーだ。力強いランは試合の流れを一変させる破壊力を持ち、プレーオフでも好調を維持する。QBハーツは好WRのブラウン、スミスにパスを供給し、空中戦も織り交ぜて主導権を握りたい。
【昨年のスーパーボウル】チーフス連覇!49ersをオーバータイム残り3秒で倒す/詳細>>
■昨年は、チーフス(AFC)が延長の末に25-22で、フォーティーナイナーズ(49ers、NFC)に勝ち2季連続4度目の優勝を決めた。QBパトリック・マホームズ(28)が、19-22の延長残り3秒で優勝TDパス。2季連続3度目のMVPを獲得した。チーフスは、直近5季で優勝3度、連覇は04、05年のペイトリオッツ以来19季ぶり。10日に日本公演を終えた米歌手テイラー・スウィフト(34)も駆けつけ、恋人のチーフスTEトラビス・ケルシー(34)を祝福した。
49ersは29季ぶり、史上最多に並ぶ6度目Vを逃した。2季目のQBパーディは、22年ドラフト最下位(全体262番目)からはい上がり、大舞台で躍動した。第2QにはQB→WR→RBとパスをつなぐスペシャルプレーで10点リード。ただチームとして2度のファンブルロストが響いた。また第4Qで16-13としたTDの後にキックを失敗。4点差にできず、結果的に残り3秒での同点FGを許して、延長で力尽きた。
































