レギュラーシーズン(RS)2位のSAGA久光が、2代目王座に輝いた。フルセットで制した25日の初戦に続き、昨季覇者でRS4位の大阪Mに3-0のストレート勝ち。中田久美監督(60)が9季ぶりに指揮を執った新体制1年目で、トップリーグでは21-22年シーズン以来4季ぶり9度目の優勝を果たした。OPサムディが両軍最多23得点。L西村弥菜美が最優秀選手(MVP)に選ばれた。
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マッチポイント。サムディがアタックをたたき込むと、中田監督はその場で直立したまま9度手を打った。「勝ったうれしさは3割で、一番はほっとしている」。歓喜の輪を外からじっくりと見届けた後、ベンチへ戻ってくる選手たちを両手を広げて温かく迎え入れた。「彼女たちの汗と涙の結果です」。復帰1年目で4シーズンぶりの頂点に導きながらも、主役はあくまで選手たちだった。
勝負どころでの一言で、何度も流れを引き戻した。この日も第1、第2セットは終盤まで競り合う展開が続いたが、苦しい場面で「互いの目を見て」と鼓舞。言葉が執念となってコートに宿り、決定率が上がりきらなかったOH北窓絢音や、MB荒木彩花らが、外せない要所でしっかりと決め切った。今季はフルセットで16戦14勝。指揮官は「自分たちで率先して解決策を見つけていけていた。選手たちの気持ちが強かった」と、接戦の強さが光った。
「正直、戻ってくるつもりは全然なかった」と言う。強いSAGA久光を取り戻してほしい。チームからのその言葉と新世代へ経験を伝えるために、復帰を決断した。かつては熱血指導で“闘将”の異名を取ったが、9季ぶりに指揮を執った今季はスタイルを一変。日本代表監督時代の挫折から、「認めてあげることが大事だと気づかされた」。1対1の面談で思いに耳を傾け、ミーティングでも選手主体で考えさせることを徹底した。「エースになる」と約束した日本代表の北窓は「私たちならまだ大丈夫と思えた」と成長を肌で実感。「久美さんのおかげで変われた」と感謝した。
還暦を迎え「丸くなったと思う」と笑うが、信念は揺るがない。「優勝しかない。来季はもう一回り強くなって挑戦する」と連覇を見据えた指揮官。SAGA久光の新時代を築いていく。【勝部晃多】


