【川尻将志・オレに任せろ】

 ◆11R 浅井康太に逆らう手はない。昨年のグランプリ制覇から勢いは加速。今年に入って16戦11勝、初日に限っては4戦無敗と、安定して結果を積み重ねている。選手、報道陣でごった返す検車場に悠然と姿を現した浅井は「調子? プロの記者さんが僕のレースを見て判断してくれればいい」と余裕たっぷりで笑った。

 前回の奈良G3の決勝は圧倒的な強さだった。新田祐大に中団を奪われ、33バンクで8番手。考えられる最悪のケースとなったが、力でねじ伏せた。「今年はラインの先頭で走った時には、全部1着なんですよ。奈良はいいレースができたし、判断も良かった。自力で動いていることによって、ずっと足の感じもいい」と胸を張る。自力と追い込みのレースをうまく自分の中で消化し、さらに高いステージへと到達した。

 特選11Rは深谷知広の存在が心強い。全日本選抜は腰の状態が思わしくなく、不完全燃焼に終わった深谷だが、地元戦に向けてしっかりと体調を整え「後ろのことはすべて浅井さんに任せる。うまく操縦してもらいますよ(笑い)」と明るい声をはずませる。これまでの浅井と深谷の連係は不発に終わることも少なくなかったが、今回の深谷なら確実に頑張る。深谷がカマシ、まくりで最終的に出切り、ゴール前は浅井が鋭く差し切る。お互いのバイオリズムがうまくかみ合っている今なら、ワンツーが決まるはずだ。

 焦点は3着争い。前前に攻める武田豊樹に乗って機敏に抜け出す芦沢大輔、切れ味鋭いまくりを秘める近藤隆司、井上昌己が怖い。(1)=(7)から3着は(2)(4)(9)の6点で勝負したい。