名古屋グランパスの「鉄人」MF稲垣祥(30)が100試合連続出場にあと1試合と迫っている。次節10日の神戸戦(ノエスタ)でピッチに立てば、史上30人目(33度目)、フィールド選手では18人目の同一チームでのJ1リーグ戦100試合連続出場となる。名古屋の選手ではGK楢崎正剛(123試合)GKランゲラック(114試合)に次いで3人目、フィールド選手ではクラブ初の大台到達だ。

広島から名古屋に移籍した20年の開幕戦からチームのJ1リーグ戦99試合全てに出場中。加入1年目に全試合スタメン出場を記録し、昨季は攻守の要としてJ1史上最多となるリーグ年間21試合無失点の原動力となった。ルヴァン杯、天皇杯、ACLでもフル稼働し、チームの公式戦全55試合でピッチに立った。

今季もチームで唯一、リーグ戦全試合に先発出場し、総走行距離はリーグ最長の316・571キロメートル。コロナ禍でコンディション調整に苦しむチームが多い中、名古屋の主将は1試合も休むことなく、精神的にも肉体的にもタフに戦い続けている。

この3年間で出場停止もなく、球際で激しく戦いながら今季のイエローカードは1枚のみ。そのクリーンファイトも試合に出続けられる理由の1つだ。

今季のチームは9勝9分け9敗の10位で、得点源のFWマテウスも負傷で離脱した。昨季の稲垣は日本代表デビュー戦で2得点を挙げ、強烈な右足ミドルを武器にチーム最多8得点をマークしたが、今季はここまでリーグ戦1点のみ。得点力のある百戦錬磨のボランチには、攻守両面でのさらなる奮起が期待される。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


◆J1連続試合出場記録(同一チーム) 1位はGK曽ケ端準(鹿島)が07~14年に記録した244試合連続。2位が00~06年のGK土肥洋一(東京)で216試合連続。3位が14~19年のGK西川周作(浦和)で200試合連続となっている。現在継続中の選手ではGKキム・ジンヒョン(C大阪)の196試合連続が最長。フィールド選手ではDF中沢佑二(横浜)が最長の199試合連続、DF谷口彰悟(川崎F)が155試合連続、MF阿部勇樹(浦和)が152試合連続で続く。フィールド選手で150試合以上は3人だけ。


<フィールド選手のJ1連続試合出場記録(同一チーム)>

199 中沢佑二(横浜)12~18年

155 谷口彰悟(川崎F)14~19年

152 阿部勇樹(浦和)13~17年

148 水本裕貴(広島)11~15年

132 服部公太(広島)04~07年

131 加藤望(柏)96~00年

127 三都主アレサンドロ(清水)98~02年

121 兵藤慎剛(横浜)10~13年

119 佐藤寿人(広島)11~14年

119 太田吉彰(仙台)11~14年

115 富田晋伍(仙台)13~16年

112 伊東輝悦(清水)05~09年

111 三浦淳宏(横浜F)95~98年

110 遠藤保仁(G大阪)14~17年

102 橋本英郎(G大阪)06~09年

102 駒野友一(磐田)11~13年

100 高橋義希(鳥栖)15~17年

99 伊藤宏樹(川崎F)05~07年

99 稲垣祥(名古屋)20年~継続中