J2アルビレックス新潟のデータを独自の視点で分析する「アルビレックス新潟 解析料理」の新戦力分析編を随時掲載します。今季は松橋力蔵新監督の下、過去2年で積み上げたスタイルに磨きをかけると同時に、開幕前にはこれまで足りなかった部分を文字通り「補強」。その目玉が、J1浦和レッズから加入したオーストラリアの東京オリンピック(五輪)代表主将DFトーマス・デン(24)です。

J2新潟の移籍、契約動向
J2新潟の移籍、契約動向

DFトーマス・デンが完全移籍で加わる。ビルドアップ能力が高く、20年には主力としてチーム2位のパス成功率87・3%を記録。昨季は股関節痛に苦しみ、リーグ戦の出場は2試合にとどまったが、同成功率は87・8%。J2で1位だった昨季新潟のチーム平均85・1%を上回っていた。

昨夏の東京五輪では3試合に先発し、1次リーグ初戦で強豪アルゼンチンから金星を挙げた。ケニア出身のオーストラリア代表は長い手足とスピードを生かしたプレーで2-0の完封勝利に貢献した。

20年8月29日の浦和-大分戦前半、ボールをキープする浦和トーマス・デン
20年8月29日の浦和-大分戦前半、ボールをキープする浦和トーマス・デン

身体能力の高さは折り紙付きで、20年8月23日のJ1神戸戦では規格外のスーパーミドルを決めて同月のJ1月間ベストゴールを受賞。ゴール後に披露した側転からのバック宙も圧巻だった。

A代表経験もあるセンターバックは右サイドバックでのプレーも可能。同代表はポゼッション志向が強いチームで、同様のスタイルの新潟にも出場位置を問わず、すぐに適応できるはず。主力センターバックは千葉が36歳、舞行龍が33歳。24歳の若き現役代表DFの加入は頼もしい。【石川秀和】