アルビレックス新潟の飛び道具が首位再浮上の原動力になった。J2新潟は10日の琉球戦で3-0と快勝。最下位に沈むチームを相手に力の違いを示して見事に蹴散らした。声出し応援が約2年10カ月ぶりに復活したホームでお決まりの大音量チャント。4月27日のホーム岩手戦以来の出場となったDF渡辺泰基の「強肩」から先制点が生まれ、チームはさらに攻勢を強めた。

攻め込みながらもゴールが奪えなかった後半10分、23歳左サイドバックのロングスローからMF高木が先制した。スローインにアシストがついたのは今季チーム初。「ニッカンサッカー」サイトの集計によれば、そもそもペナルティーエリア内へのロングスローがこの試合まで1度もなかった。渡辺のロングスローの威力を把握していなかったのか、琉球守備陣の対応は遅れた。

敵陣でのCK時のようなチャンステーマもビッグスワンには響かなかったが、これもいわゆるセットプレーからの得点。主力のDF堀米が欠場したこともあって「(渡辺の武器である)ロングスローは今週のセットプレーの練習でコーチから指示があった」と松橋監督。この継続した強化が快進撃の理由の1つ。攻め込みながらも崩しきれない停滞感を打ち破る武器が今のチームにはある。【石川秀和】