ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の組み合わせが1日、決まった。7大会連続出場を目指す日本はB組に入り、オーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムと対戦することになった。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)が、今回の対戦相手と展望について語った。

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今回の抽選で韓国と同組になるかが注目されていた日本だが、オーストラリアに決まり、逆に警戒レベルは高くなったと思う。日本の弱点はやはりセットプレーの守備。オーストラリアには198センチで得点力のあるDFサウターがおり、対処方法は多くの時間がさかれるはずだ。自陣でファウルをしないかも大切。前回のアジア最終予選は1勝1分けとはいえ、逆の結果になっても不思議ではないほど力は拮抗(きっこう)している。

セットプレーでいえば、中国も身長の高い選手が多い。ブラジル出身の点取り屋エウケソンもおり、トリッキーなプレーが得意な選手で、安易なファウルを与えてはいけない。W杯出場は過去1度の中国だが、イラクと同等の怖さはある。サウジアラビア、オマーンの中東勢も不気味だ。特に中東での敵地での試合は、勝ち点1を想定しないといけない場合もある。ベトナムもW杯出場がないとはいえ、近年は力をつけているので油断できない。

日本は、東京五輪代表組が最終予選に何人かは合流するかもしれない。選手層を厚くする意味では歓迎だが、ここまで積み上げてきた日本のベースを考えると簡単に融合できるものではない。秋の時点では五輪組を過度な戦力と考えず、準備をしていきたい。(日刊スポーツ評論家)