U-24日本対U-24ホンジュラス 試合後、スタンドの観客に手を振るU-24日本の選手たち(撮影・前田充)
U-24日本対U-24ホンジュラス 試合後、スタンドの観客に手を振るU-24日本の選手たち(撮影・前田充)

元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)が、ヨドコウ桜スタジアムで東京オリンピック(五輪)代表同士の対決を観戦した。

両国とも本番に向けた貴重な試金石。永島氏は日本がメダルを獲得する上で、選手同士の距離感に課題を与えた。

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この日の日本は長所と短所の2つの顔があった。3-1の勝利には自信を持てばいい。ただ、前半を見ていて非常に心配になったのは、アタッキングサードに入った際、選手同士の距離が離れていたり、バランスが悪かったことだ。このロスが、予想通り、後半に響いてきた。

例えば、サイドに複数が重なっているかと思えば、ゴール前に人はいない。右サイドから酒井がクロスを供給する、日本の得意なパターンがなかった。前半からあれだけ飛ばした割に、2点しか取れていない。ゴール前の人数を、いかに効果的にかけられるかがカギになるが、いろんな意味でロスが多かった。むだに体力を消耗させ、後半の失速につながった。

もちろん、前半の2点目の得点場面はパスを出した冨安、スルーした三好、ポストに入った林、ゴールを決めた堂安と、この4人の適度な距離感こそが、お手本のようだった。後半の得点も前田、遠藤、相馬、堂安の距離感がよかった。適度な距離感を保てば、互いのアイデアが共有しやすい。

こういった得点のように効率、確率を上げていくことが、中2日の強行日程が続く五輪で生きることになる。この日の反省を生かしてほしい。(日刊スポーツ評論家)

U-24日本対U-24ホンジュラス 後半、ゴールを決めアシストした相馬(左)と抱き合って喜ぶ堂安(撮影・前田充)
U-24日本対U-24ホンジュラス 後半、ゴールを決めアシストした相馬(左)と抱き合って喜ぶ堂安(撮影・前田充)