コロナ禍で中止が続いた福岡伝統の夏祭り「博多祇園山笠」が、7月15日早朝、3年ぶりに博多のまちを勇壮に駆け抜けた。

J1アビスパ福岡も、応援歌の「博多の男なら気持ちを見せろ~♪」のごとく、夏場からおとこ気を見せ、躍進してくれると信じている。

そこで、景気づけに、とにかく欲しいのが、J1ワースト17得点で課題となっている決定力だ。

そんな中で、昨季16試合出場でチーム最多5得点を挙げたカメルーン代表FWジョン・マリ(29)の復帰は大きい。7月7日にアル・シャバブ(サウジアラビア)より完全移籍で加入することが発表されて、驚かされたと同時に、大きな期待もある。

実は昨年1月、中国に戻る予定だった。しかし、家族が新型コロナウイルスに感染した影響で中国に戻れず、移籍期間に間に合わなかった。そして、福岡移籍が3月1日に発表された。他にも選択肢はあったというが「日本人や文化を知ってみたかったので移籍を決めた」という新天地で8位躍進に貢献。運命的な新たな船出で、躍動してほしい。

そんな縁のある福岡復帰に際して、クラブを通じて「再び声をかけてくれたことを、私、そして私のファミリーも、とてもうれしく光栄に思っています。チームを勝利へ導くためにピッチ内外問わず、アビスパ福岡の戦士として常に全力を尽くして戦っていきます」とコメントした。

強みの強靱(きょうじん)なフィジカル、瞬発力をいかんなく発揮してくれるはずだ。サイド攻撃からのクロスを武器にするチームにあって、パワフルストライカーの存在は今後のカギになる。

7月16日湘南ベルマーレ戦で、後半14分から移籍後初めて途中出場した。無得点に終わったが、前線でターゲットとなり体を張り、存在感を漂わせた。

次の7月30日セレッソ大阪戦で、移籍後初先発の期待も高まる。昨季チーム最多5発、今季すでに6得点のFW山岸祐也(28)との先発2トップ共演が、早くも実現するかもしれない。

リーグ最少失点の堅守から、得点チャンスでの精度向上で、昨季8位超えを目指せ!【菊川光一】

◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市博多区生まれの54歳。福岡大大濠-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在、報道部。主にJリーグ鳥栖、福岡やアマ野球などを担当。スポーツ歴は野球、陸上中長距離。170センチ、61キロ。血液型A。