「サッカー」と「ディズニープリンセス」。一見全く異なるものに見える2つのコラボレーションが、ワクワクする空間を作っていた。

「JFA Magical Field Inspired by Disney」は、日本サッカー協会とウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社がともに行う、女子サッカー普及のための新プロジェクトだ。

その中の1つ、10日に千葉・JFA夢フィールドで行われた「JFAファミリーサッカー“First Touch”」は、7月から全国各地で開催されているイベント。会場の入り口からワクワクする。サッカー日本代表が拠点とする「夢フィールド」は、いつもは青色がイメージ。この日はアリエル、ラプンツェルといったディズニープリンセスの旗がたくさん並び、ピンクを基調としたかわいらしい空間になっていた。

小学1～3年のサッカー未経験者を対象とし、ディズニーの世界観の中でサッカーを楽しむこのイベント。ピッチに近づくと、アラジンの「ホール・ニュー・ワールド」などディズニーの名曲が聞こえてくる。6つに分かれたピッチは「アリエルコート」「ジャスミンコート」といった、ディズニープリンセスの名前が付けられるなど、とても凝っている。参加者には背中にプリンセスが描かれたオリジナルのTシャツとボールをプレゼント。サッカーに興味がなかった子も楽しめるきっかけが、随所にちりばめられている。

参加した子どもたちは保護者とペアになり、まずはサッカーボールを手で使ったゲームからスタート。じょじょに体を動かしながら、最後にはキックやシュートといったサッカーの動きに触れていく。指導するスタッフが「○○ちゃん、早いね！魔法使ったの？」と話しかけているのも楽しそうだった。

イベントを見ていると、最初はサッカーボールに触るのすら嫌がっていた1人の女の子がいた。お父さんと一緒にカラーコーンの穴にボールを入れることから始め、少しずつ慣れていくと、最後には足を使ってボールをゴールに運ぶまでになっていた。きっとこの日の経験は忘れないはずだ。

「たった一歩で、世界は広がる」。このプロジェクトが伝えているメッセージだ。ディズニーのプリンセスは華やかなだけでなく、自分の1歩で新たな世界に踏み出す勇敢な存在としても描かれている。「サッカー」と「ディズニープリンセス」。一見全くことなる2つのコラボレーションがが、誰かの挑戦を応援する空間を作っていた。

【磯綾乃】（ニッカンスポーツ・コム／サッカーコラム「サッカー現場発」