<高校サッカー:神村学園10-2中京大中京>◇2回戦◇2日◇駒沢

 神村学園(鹿児島)が34年ぶりの2ケタ10得点を奪う猛攻で中京大中京(愛知)に大勝した。1試合10点は75年度広島工-巻戦の10-0以来で、76年度の首都圏開催以降では最多得点。セットプレーでの得点は1点のみで、すべて流れの中からの得点。出場した14人中、DF2人を含む9人が得点を奪う超攻撃サッカーを披露した。

 圧巻は左サイドバックの松山周平(3年)が後半12分に挙げた6点目だった。松山は相手のクリアボールをハーフライン中央付近でカットすると、ゴールに向かってドリブルを開始。ペナルティーエリア内でポストとなったFW黄順旻(3年)とのパス交換で、相手DFをすり抜けると、最後はGKもかわして、きれいにゴールに流し込んだ。この日2得点のFW大山直哉主将(3年)は「松山のゴールが、自由に仕掛けるうちの持ち味を象徴している」と自身のゴールをさておいて、胸を張った。

 竹元真樹監督(37)がドリブル中心のサッカーに目覚めたのは、05年度の決勝を見てからだった。フィジカル重視の鹿児島実が技術重視の野洲(滋賀)に敗れたことがきっかけ。「全国で通用するために、鹿児島にはないサッカーを目指す」。その1つの要素がドリブルだった。昨年度、J1鹿島FW大迫勇也を擁し、パスサッカーで準優勝した鹿児島城西とも異質のスタイルだ。練習では常にドリブル突破を意識させた。意図があれば、「持ちすぎ」ても注意しない。DFの選手のドリブル攻撃もある程度容認している。

 この日は9人が得点。FW、MFにDF2人も点を入れた。竹元監督は「365日、攻撃練習。10得点より多くの人間が得点したことで、らしさを出せた」と振り返った。大会1週間前には合宿所で、元イタリア代表でユベントスFWアレッサンドロ・デルピエロのゴール特集のビデオを選手全員が見てイメージトレーニング。ドリブルをベースとした決定力に結び付けた。

 竹元監督は元日本代表MF前園真聖氏と小、中、高と一緒にプレー。前園氏を擁し、90年度に準優勝した鹿児島実で主将を務めた。前園ばりのドリブラーをそろえた超攻撃的メンバーが、初戦で強烈なインパクトを残した。【塩谷正人】