本田圭佑が注目を集めていた新天地選びに、サプライズ回答した。

 ただ、本田はきっとこう言うだろう。「何がサプライズなんですか?」と。

 今回の移籍について、まだ具体的なことは語られていない。ただ、ヒントはある。

 本田の言葉をたどれば、見えてくるものもある。

 6月1日、千葉県内での日本代表合宿で新天地選びについて「基本的にオープンマインドですよ」と独特の言い回しで、フラットに幅広い選択肢から進めると明言した。

 契約満了によるACミラン退団が近づくにつれ、やれ欧州だ、米国のMLSだと、いろいろ報じられたがこの時点で世界中のクラブが候補だった。唯一、Jリーグへの復帰だけは丁寧な言い回しで、明確に否定していたが。

 あれから1カ月半。オファーは欧州を中心にたくさんあった。胸の“リトルホンダ”が住む部屋の鍵はずっと開いていた。ノックし、積極的にアタックしたパチューカが、フリーの本田を射止めたことになる。

 6月1日には、こうも言っていた。「日本では窮屈で、海外の2メーターの男とけんかしたい日本人もいるわけです。そういうところに刺激を求めていくやつも何人かは、日本人としていないといけないというところで、我々の役割分担も職種に限らず、あるということです」。

 今回の移籍のキーワードには「刺激」も挙げていた。「面白くて行きたいと思えるクラブがあるかどうかがものすごく重要」「常に未開の地みたいなところ、知らないエリアに行くのが好き」などと。

 1カ月半前の幾つかの言葉を思い返せば、この選択にも納得がいく。

 決してサプライズではない。

 本田にとっては実に自然な選択だったはず。本田とはそういう男だ。

【サッカー担当=八反誠】