W杯アジア最終予選の日本代表に初選出されたセレッソ大阪FW杉本健勇(24)が、「ダイレクトゴール」で、W杯出場が懸かる31日のオーストラリア戦の先発を狙う。J1得点ランク2位の14得点中、11点がトラップなしのシュートによる得点。ダイレクト弾の急増に今季の進化がうかがえる。25日、今日26日の首位鹿島アントラーズ戦に向けて大阪・舞洲で練習。代表27人からベンチ入りは23人に絞られる状況に、あらためて「練習から勝負」と決意表明した。

 杉本は笑顔を消した。日の丸を背負う重み、待ち受ける厳しい戦いに臨む決意だけを表現した。「そういった意味では練習から勝負。アピールしないと。生きるか死ぬかくらいの勝負やと思っている」。岡崎ら代表実績のある選手と争う構図。「(代表に)入ることがゴールでも何でもない。通過点です。その意味では明日(26日)の試合も大事」と首位鹿島戦でインパクトを残すつもりだ。

 各年代別の代表を経験してきたが、A代表は格別の重みを感じる。「国民を背負ってるんで、重い試合だと思う」。自身の原点も02年W杯日韓大会だ。ベルギーとロシア戦でゴールを決めた稲本、そしてクラブの大先輩・森島が躍動する姿を見て「プロになりたいと思った。テレビの向こうの世界だったけど、自分もああいう舞台で活躍したいと思った」という。

 その舞台に立つために、27日からの短期間の代表合宿で猛アピールするしかない。187センチの長身を生かしたヘディングの強さだけでなく、ワンタッチシュートなど足元の技術もあり、ハリルホジッチ監督も「珍しいタイプ」と評した。「ヒーローになれるチャンス」。健勇(けんゆう)の名を日本中に、世界に知らしめる。【実藤健一】