MF倉田が2試合連発で猛烈アピールに成功した。前半7分、DF長友の左クロスに頭で先制弾。「(長友)佑都くんからいいボールがきた。ファーに流せば、何とかなるかなと思った」。6日のニュージーランド戦は頭から飛び込んだ。代表2点目はGKの位置も確認し、鮮やかに決めた。

 「ずっと(結果を)維持していかないと評価されない」という危機感が原動力だ。世界で通用する体作りを徹底する。筋力トレが大好きで、時間を見つけては欠かさず行う。たまった疲労は酵素風呂に入るなどして残さない。徹底した自己管理が、172センチと恵まれているとはいえない体格を補う。目標に向かう意識の高さをゴールにつなげた。

 ただ、試合後に笑顔はなかった。「(点の)取られ方が悪かった。チームとしてうまくいっていない細かいところを突き詰めていかないと」。その視線は世界との戦いを見据えるからこそ、厳しいままだった。