サッカー東アジアE-1選手権に出場する男女の北朝鮮代表選手団が5日、来日した。

 テレビカメラ9台、取材陣約30人が集まる中、男子は黒いスーツ、女子は赤いコート姿で東京・羽田空港の到着ロビーに姿をみせた。駆けつけた100人以上の人が北朝鮮国旗を手に「マンセー」などと声をあげて出迎え、北朝鮮女性の正装である「チマ・チョゴリ」を着た女性の姿も見受けられた。歓迎ムード一色の中、選手らは笑顔で手を振った。

 日本は政治的理由による独自制裁処置として同国からの入国者を禁止しているが、今回は大会参加のため特別に許可。北朝鮮選手団は中国・北京を経由して到着した。空港側は通常より警備を強化し、仕切りを立てて導線を確保するなど、現場はものものしい空気に包まれた。

 こうした緊迫した状況を受けてか、日本サッカー協会はこの日、メディアへ向け「朝鮮民主主義人民共和国代表チームへの取材活動についてのお願い」と題した文書を発表。「本大会は、主催する東アジアサッカー連盟(EAAF)が定めた規定に則って開催されるものであり、参加チームは、EAFFが定めた規定を順守することが義務づけられています」とし、「日本サッカー協会は、この規定に定められているルールに則って本大会を運営するとともに、参加する各代表チームを尊重し、快適で安全にサッカーに打ち込める環境を提供することでホスト協会としての責任を果たしたいと考えております。つきましては、メディアの皆さまにおかれましてもこの点を十分ご理解いただき、取材活動・報道をお願い申し上げます」と記した。

 同大会は千葉・フクダ電子アリーナを会場に女子が8日、東京・味の素スタジアムを会場に、男子が9日に開幕する。