国際サッカー連盟(FIFA)は16日にコロンビアのボゴタで理事会を開き、6月開幕のW杯(ワールドカップ)ロシア大会で「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」と称する映像確認の審判員を採用すると決めた。86年大会のアルゼンチン代表マラドーナによる「神の手」ゴールのような明らかな誤審をなくすため、いわゆるビデオ判定を導入。一方で判定のために試合が止まるなど、賛否両論ある制度が最高峰の舞台にどう影響を与えるか注目される。

 競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)の公表資料によると、試合中にVARが「奪った」と定義づけした時間は1試合平均で55秒。FKの8分51秒やスローインの7分2秒などに比べるとはるかに短い。IFABが唱えるVARの導入目的は「最小限の介入で、最大限の効果」。インファンティノ会長も「10秒から20秒で正しい判定が得られる」と“イメージアップ”に躍起だ。