東京五輪世代であるU-21日本代表が28日、パラグアイ遠征を終えて成田空港へ帰国した。

 フランスとブラジルを経由する片道36時間にのぼるフライトを往復し、森保一監督は「自分がいつどこを出発したのかとか、わからなくなってしまいそう」と冗談っぽく苦笑いした。

 到着した翌日からすぐに試合が始まる強行軍で、中1日で3試合をこなす過密日程。気候は気温が約40度近くあがることもあれば肌寒くなったりと過酷な条件だった。そんな中で同世代のベネズエラにはPKで勝ったものの、チリ代表には0-2、パラグアイ代表には1-2で敗戦した。指揮官は「選手は弱音も吐かずにトライしていた。気候も違うタフな中で覚悟して戦い続けたことは今後の役に立つ」と選手をねぎらった。

 とはいえ「勝利にこだわろう」と選手に説いて臨んだ結果の1分け2敗。「ボールはある程度持てるが、シュートまでいく回数も質も足りない。まだまだ力をつけないといけないと教えてもらった」と、注文も忘れなかった。パラグアイ戦では強烈なミドルシュートを決められるなど、南米勢の個の力も痛感した今回の遠征。「東京五輪を見据えてチームを作る中で、世界の強豪も倒さなければならない。組織力も、(個の)局面で上回る力があってこそのプラスアルファ。そこに磨きをかけるためにも、個のレベルアップが必要」と、選手のさらなる奮起に期待した。