17年10月以来、7カ月ぶりに日本代表に復帰したFW武藤嘉紀(25=マインツ)が21日、千葉県内でスタートした国際親善試合ガーナ戦(30日=日産ス)とワールドカップ・ロシア大会へ向けた国内合宿初日後「休むことはワールドカップが終わってからでいい。そこまでは出し尽くせればいい」とメンバー入りに不休の覚悟で挑むと宣言した。

 また一緒に練習する中で、軽く尻を蹴られ、笑みを交わすなど仲の良さを見せた本田圭佑(31=パチューカ)についても、ポジション争いは「負けたくない」と強調した。

 武藤は12日の最終節ブレーメン戦を終え、15日に帰国し、18日に発表されたガーナ戦のメンバーに招集された。「オフは1、2日しか取らずトレーニング出来たし、今日も何も問題なく入れた。ガーナ戦も練習からアピールになる。100%を見せないといけない」と意気込んだ。

 久々に参加した代表合宿の印象を聞かれると「みんな楽しそうでしたし、活気もありましたし、ガーナ戦がとても楽しみ」と、代表でサッカーが出来ている充実を口にした。「やっぱり違いますよね、それは。みんなが楽しんで、かつ真剣に取り組めている。だからこそ無駄に力も入らないし、集中するところは、しっかりプレーも出来ていたので、そこは非常に重要。10日間、練習がある。試合で全て出さないといけないので、練習の雰囲気はすごく大事。今日はすごくいい雰囲気で出来た」と、手応えを繰り返し強調した。

 本田と香川真司(29=ドルトムント)と組んでボールを使ったトレーニングを行ったが、フットバレーボールの最中に本田につま先で軽く尻を蹴られ、互いに笑い合う一幕があった。そのことについて聞かれると「本田選手に関しては、昔からずっと気にかけてくれていますし、一緒にまたプレーできてうれしく思う」と笑みを浮かべた。

 ただ、その直後に「けれど、日本代表というところで、彼ともポジションを争う可能性もある。そこでは負けたくない。一緒に代表で一緒に結果を出さないといけないので、ピッチの中でも外でもそうですし、仲をより深められたらいい」と、あくまでポジション争いでは一歩も引かないと“挑戦状”をたたきつけた。

 4月1日のボルシアMG戦の直前練習で左太ももを痛めたが、3-0で勝った同29日のライプチヒ戦でPKを獲得&アシストで2点に絡み、6日のドルトムント戦では1-2で敗れたものの1ゴールを挙げ、ドイツ3季目で自己最多ゴール記録を更新。シーズン終盤の猛活躍で、ガーナ戦のメンバーに入った。「つらい思いもしましたし、そこで耐えて最後、全てをぶつけられたということがこういう結果につながった」と語る一方で「まだ何も成し遂げていないですし、メンバーに選ばれたわけでもない。最後まで集中し、ワールドカップ行きのチケットを取って、結果を残すことが全て…満足せず、大舞台で活躍したい」と不退転の覚悟を示した。

 ライバルについて聞かれると「正直、誰がライバルか分からない。誰が出るかも分からない。結果を出さないといけない。FWだったら得点しかない。得点だけに集中できるポジション…決めきりたい」と闘志を燃やした。【村上幸将】