カタールが4-0でUAEに快勝し、初の決勝進出を決めた。前半に2点を先行して主導権を握ると、後半にも2点を追加した。2大会ぶり5度目の優勝を狙う日本と2月1日に対戦する。

カタールは、スペイン出身のサンチェス監督の下、柔軟な戦いで勝ち上がった。複数のシステムを使い分け、UAE戦では2点リードするまでは4-2-3-1で相手を押し込み、後半25分すぎからは5-3-2に変更。守備を固めつつカウンターを狙い、2点を加えた。安定した試合運びで、元日本代表監督のザッケローニ氏が率いるUAEを下した。

複数のポジションでプレー可能な選手が多く、UAE戦ではMFハジリがシステム変更に伴い、ボランチからセンターバックに移動した。センターバックで先発したMFフーヒはトップ下もこなす。今大会はここまで計4人が出場停止になったが、チーム力が落ちることはなかった。

攻撃の中心は8ゴールを挙げているFWアリ。UAE戦で8点目を決め、96年大会でイランのFWアリ・ダエイがつくった大会最多記録に並んだ。自国のアルドゥハイルでプレーする22歳のストライカーは、昨年のU-23アジア選手権でも得点王に輝いている。

もう1つ、両サイドバックの立ち位置が特徴的。タッチライン際を攻め上がるだけでなく、ボランチのような位置で攻撃の組み立てに参加する。右のDFコヘイア、左のDFハサンは、中央寄りから、いわゆる「インナーラップ」を掛ける。前線の両サイドが外に張り出し、その内側から敵陣に進入する。UAEはその動きについて行けなかった。

1次リーグのサウジアラビア戦と準々決勝の韓国戦では5-3-2の布陣でスタートした。攻撃的なチームに対しては、粘り強い堅い守りと速攻で勝利をたぐり寄せた。その一方で、この日のUAE戦の前半に見せたような、細かくパスをつないだ上で主導権を握る戦いもできる。6試合で16得点、無失点と攻守に抜群の安定感を誇る。

日本との過去の対戦成績は2勝4分け2敗と、まったくの五分。直近の対戦は11年1月21日のアジア杯で、日本が3-2で勝利した。ただ、それも過去の話。UAE-カタール戦は、日本代表の森保監督も観戦していた。対戦国分析は日本の強み。勝つための戦略が、ここから練られることになる。