MF香川真司(29)が所属するトルコ1部ベシクタシュのフィクレット・オルマン会長(51)が13日、東京・JFAハウスで報道陣の取材に応じた。

ドイツ1部ドルトムントから今年5月までの期限付きで獲得した香川について「完全移籍を望んでいる」と明言。「ドルトムントとの契約は1年残っているが、我々のクラブに残ってほしい。完全(移籍)の後に複数年契約を結びたい」と希望を口にした。

香川に続く日本人についても「興味を持っていて、何人かリストアップしている」。来日中はスケジュールが詰まっており、選手獲得目的の試合観戦は予定していないが「強化チームが行き来している。条件さえ合えば、さらに日本人に来てほしいし、シンジが活躍してことで日本人も来やすくなったはずだ」と獲得効果に目を細めた。

翌14日に予定されている日本代表メンバー発表に関しては「呼ばれれば送り出したい。代表で気持ち良くプレーできれば本人も喜ぶと思うし、カガワの喜びは私の喜びだ。(6月開幕の)南米選手権にも、ぜひ行ってほしい」と招集に応じる考えを示した。

今回の来日は約10日間の予定。日本市場の拓が目的で、前夜にイスタンブールから到着した。かねて計画していた今夏の日本ツアーについても、実施意向を正式表明。「トルコと日本の懸け橋になりたい。Jクラブや、同時期に滞在中の欧州クラブと親善試合を行えれば」と語った。候補都市やスタジアムの視察も予定しているという。ただ、日本の夏が非常に暑いことも把握。香川に相談したところ「『暑いので避けた方がいい』と言われてしまった…」と明かして笑わせた。

クラブだけでなくトルコスーパーリーグの会長も兼ねており、トルコとベシクタシュの発展のために、来日中は数多くのスポンサーとも会談するようだ。「トルコと日本は1800年代の事件(1887年、エルトゥールル号遭難事故)から友好関係を続けてきた。直行便でも12~13時間の距離はあるが、心は近い。もっと両国をスポーツで近づけたい」と話し、日本サッカー協会の須原専務理事、Jリーグの村井チェアマンとも面会して、今後の協力関係構築に意欲を見せた。