筋肉質の体で当たり負けせず、スピードに乗った鋭いドリブル突破から果敢にシュートを放つ。名古屋FW相馬勇紀(22)の主戦場は左サイド。初の日本代表で臨んだ昨年12月の東アジアE-1選手権、今年1月のU-23アジア選手権で存在感を示し、オリンピック(五輪)代表当落線上に殴り込んできた。森保監督は先発、スーパーサブの両刀遣いが可能な相馬を最後に選ぶはずだ。

今季目標は「名古屋では常に点を取る意識でやる。その結果が2桁得点と優勝につながればいい」。16日ルヴァン杯鹿島戦では待望の先発を勝ち取った。将来は「プレミアリーグ移籍。リバプールが好き」と夢は大きい。プレースタイルとは逆に、物腰は柔らかく、マスクも甘い。コメント力があり、クラブではFW前田らに次ぐ人気を誇る。

14日に開かれたJリーグの共同会見では、横浜FCのFWカズ(三浦知良)に「実は僕が幼稚園の時、カズさんの息子さんと(ある施設の)ベビールームで遊んだことがあるんです。学年は僕が1つ上だと思います」とあいさつ。「じゃあ、奥さん(りさ子夫人)に聞いておくよ」と返されたという。

親と同じ世代のスターについて「僕にとってもスター選手。話ができてよかった」と喜ぶ。カズとともに90年代の日本代表の左サイドを担ったのは相馬直樹。20年以上の歳月を経た今、次は相馬勇紀がスターへの階段を駆け上がる。【横田和幸】

◆相馬勇紀(そうま・ゆうき)1997年(平9)2月25日、東京・調布市生まれ。三菱養和、早大(4年時に特別指定で名古屋に在籍)を経て19年名古屋入り。J1通算30試合3得点。165センチ、68キロ。