今回の「東京五輪チェック」は、主力として活躍が期待されるオランダ1部PSVに所属するMF堂安律(21)をピックアップする。8日の古巣フローニンゲン戦で昨年12月21日以来の先発出場。自身にとって大きな収穫を得た。

左ウイングに入った堂安は、水を得た魚のごとくのびのびとプレー。特に光ったのは守備での球際の強さだった。前半30分にはフローニンゲンMFルンドクビスがカウンター攻撃につなげようとした瞬間、後方から体をすっと寄せボールをかっさらった。相手が悔しげに叫ぶ声を背に、笑顔でボールを前へ出した。

後半33分から本職とする右ウイングへ移った。アウェーで1-0の勝利を挙げる中で、しっかりフル出場。得点には絡めなかったが「(左は)いつもと違うポジションでしたが、今必要なことはやったと思います」。いい形でボールを受ける場面はあまりなかった中「課題はあるけど、しっかり90分、久々にいいランニング練習になりました」とポジティブな様子だった。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大でオリンピック(五輪)へ向けた3月の強化試合が中止となった。「(予定されていた)10日間で、やれることをすべてやろうと思っていた。やるべきことが山積みだったので、ちょっともったいない」。五輪代表チームにとって痛手であることに間違いないが、引き続きPSVでの定位置争いとともに自らを高めていく構えだ。(エリーヌ・スウェーブルス通信員)