日本代表DF吉田麻也(サンプドリア=32)が、6月の国際親善試合2試合に臨む東京五輪世代のU-24日本代表のオーバーエージのメンバーとして招集された。東京五輪の最終メンバーに選出されれば、08年の北京五輪、12年のロンドン五輪、そして今回の東京五輪と3大会に出場することになる。

思い出すのはW杯ロシア大会を終えた直後の18年7月のことだ。森保一監督がA代表と五輪代表の監督を兼任することが決まった。W杯ロシア大会の何人かのメンバーは、オーバーエージの立候補に名乗りを上げた。現役選手にとって、自国の五輪開催の時期に現役でプレーしているのは奇跡のようなタイミング。立候補するのももっともだ。そのころW杯を終え、しばしの休暇を日本で過ごした吉田が渡欧する際、空港で取材に応じた。当然、報道陣からは「東京五輪」への質問が出た。吉田は落ち着いてこう答えた。

吉田 五輪はサッカーにとっては23歳以下の大会なので。主役は僕らではなくて、彼ら。若い世代がこれからの日本を引っ張るために五輪の舞台でステップアップしてほしいと思ってますし。勝ちが求められる大会になると思うし、その中で1人でも多くの選手がA代表に絡める活躍をして今後につなげていってほしいと思います。そして、僕らもその競争の中でAに残るために打ち勝っていかないといけない。その後で、もしかしたら数名がオーバーエージで大会に参加することになるかもしれないですが。何人かの選手がしゃべっていると思いますが(笑い)あまり、しゃしゃり出ずにおとなしくしてましょうと言いたいです(笑い)。

最後まで「立候補」はせず、静観。加えて「A代表で生き残る」ために前を向いていた姿が印象的だった。それから3年。吉田は日本代表で主将、不動のセンターバックとしてA代表のピッチに立ち続けている。今季、イタリアのサンプドリアでは28試合1得点。3月のA代表の活動では、新型コロナウイルス感染対策の影響で、チームメートとコミュニケーションを取る時間は少なくなったにもかかわらず、初招集で韓国戦でデビューしたDF山根視来(川崎フロンターレ)らと積極的にコミュニケーションを取っていたという。

ロンドン五輪ではオーバーエージで主将を務め4位だった。経験豊富なベテランが、6月の東京五輪への活動でどうチームを引っ張るのか。信頼厚いキャプテンの姿に注目したい。【岩田千代巳】