日本はW杯2次予選を危なげなく突破した。出場選手は同予選で史上最多となる39人。ハリルホジッチ監督が指揮した前回ロシア大会の29人を大きく上回った。新型コロナウイルスの影響で日程が大幅に延期され、約1年9カ月かけて全日程を消化したが、その間に主力メンバーの顔ぶれも変わった。

10番を背負ってチームの予選第1号ゴールを決めたMF中島翔哉が所属クラブ(ポルト→アルアイン)で出場機会を失い、今回の活動は選外。左サイドの攻撃的な位置で不動の存在だったアタッカーが抜けた。

だが、ドイツ・ブンデスリーガで3位の12アシストをマークしたMF鎌田大地が一気に台頭。当初は控えだったが、トップ下で存在感を示した。そこを主戦場としていたMF南野拓実が中島の抜けた左サイドにスライドしたが、南野は新10番として予選開幕から7試合連続ゴールの新記録を達成した。

ボランチではドイツの地で「デュエル王」に輝いたMF遠藤航が序列を上げ、ポルトガルで成長を遂げたMF守田英正も持ち味の守備だけでなく、予選初出場から2試合連続ゴールを挙げるなど攻守に奮闘。クラブの事情で選外となったMF柴崎岳の存在を忘れさせる活躍を見せた。

その一方で、最終ラインは長らく変わらぬ存在感を見せているDF吉田麻也、両サイドバックの右のDF酒井、左のDF長友は不動のまま。最終予選に向け、その主力を脅かす新戦力の台頭が待たれる。【石川秀和】